Beethoven 交響曲第5番ハ短調/Bach 小フーガ ト短調
(レオポルド・ストコフスキー/全米青年管弦楽団1940年)


Columbia M451 Beethoven

交響曲第5番ハ短調

Bach

小フーガ ト短調 BWV578

レオポルド・ストコフスキー/全米青年管弦楽団

Columbia M451 1940年録音SP復刻

 Leopold Stokowski(1882ー1977英国)が1940年に創立した全米青年管弦楽団(All-American Youth Orchestra)は、オーディションを受けた優秀な若手奏者と、フィラデルフィア管弦楽団の主要メンバーなど18人の熟練奏者から編成された演奏旅行用のオーケストラ、とのこと。1941年12月に太平洋戦争が勃発したことによって、わずか2年で活動停止したそうです。(ほとんどネット情報のコピペ)これはSP復刻音源をネットより拝聴したもの。かなり鮮明な音質にオーケストラの高い技量をたっぷり堪能できました。馴染みの作品もストコフスキーだったら聴いたみたいもの。

 クラシック・ファンには必須演目であるBeethoven 交響曲第5番ハ短調は、入念に、たっぷり味付け色付けされた演奏でした。第1楽章「Allegro con brio」冒頭の「ジャジャジャジャーン」はアクセントをくっきり付けて一音一音噛みしめるように開始、SP録音の制限からか提示部繰り返しなし、主部に入るとテンポはまさに指示通り、きびきびと快速、流れよく進みます。オーケストラの響きは明るく、細部各声部明晰に浮き立って表情は豊かに動きます。(6:27)第2楽章「Andante con moto」は弦が優雅に、悠々纏綿と歌う緩徐楽章。大きな足取りに慌てず騒がず、優雅に甘い弦のポルタメントも効果的、テンポの揺れは微妙にアクを感じさせても、表現は曖昧さのない楷書でしょう。(11:13)

 第3楽章「Allegro. atacca」は不気味なスケルツォ。ここも慎重に味付けされた低弦から、ホルンの高らかな音型も「運命」リズム。ドキドキするような怪しい雰囲気満載の演奏であります。トリオは「象のダンス」(Berliozは上手いことを云う)細部曖昧に流さず表情付けは入念微妙に揺れ動いて、ストコフスキーは楷書の表現継続・・・第4楽章「Allegro - Presto」の大爆発へ。もちろん繰り返しなし。印象としてはかなり快速(というより勢いか)ノリノリ、木管金管の華やかな響きが印象的、弦の縦線のアンサンブルも見事な疾走もアツいもの。内声部や対旋律もよく聴こえ、オーケストラは明るく鳴リ響いてテンションも高い。(続けて13:32)

 SP収録のオマケかも知れないけれど、小フーガ ト短調 BWV578はストコフスキーの十八番。哀愁の旋律が木管の軽妙な絡み合いからフクザツに絡み合って、色彩豊かに盛り上がります。やがて弦が参入してスケールも熱もを力強く増して大仰に絶叫、これぞストコフスキー・サウンドでしょう。(3:28)

(2020年11月21日)

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written by wabisuke hayashi