Beethoven ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調/
Brahms ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調/
Bach 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ニ短調 BWV.1004
(ヘンリク・シェリング(v)/エウジェニオ・バニョーリ(p)/1975年ライヴ)


「GREAT CHAMBER MUSIC」(DOCUMENTS 224074/10枚組) Beethoven

ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調

Brahms

ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調

Bach

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ニ短調 BWV.1004

ヘンリク・シェリング(v)/エウジェニオ・バニョーリ(p)

DOCUMENTS 224074/10枚組 1975年9月/アスコーナ・ライヴ

 旧Ermitage/Auraライヴ音源を利用したDOCUMENTSレーベルは貴重な室内楽10枚組ライヴ。2006年来の拝聴、久々に聴いて臨場感のある音質良好なことに驚きました。Henryk Szeryng(1918ー1988波蘭→墨西哥)のヴァイオリンは気品漂って端正な音色極まりない。Eugenio Bagnoli(1920-2009伊太利亜)は詳細情報を探せぬ初耳ピアニストだったけど、驚くべき息の合ったサポートぶりでした。

 Beeやんの初期作品であるニ長調ソナタは、ピアノに重点が置かれているんだそう。第1楽章「Allegro con brio」から明るく躍動すして、愉悦に満ちた青春の息吹を感じさせるもの(9:07)第2楽章「Andante con moto」はシンプル優雅に落ち着いた主題と変奏曲(8:11)第3楽章「Rondo,Allgro」は晴れやかな笑顔に疾走して、シェリングのヴァイオリンはしっとり清潔そのものでした。(4:47拍手有)

 Brahmsはト長調だけど、思索的に鬱蒼暗鬱として滋味深くも切ない第1楽章「Vivace ma non troppo」。ここは淡々と懐かしい静謐が絶品(10:56)第2楽章「Adagio」は蠱惑的な音色がかすかな吐息のように呟きます(7:54)第3楽章「Allegro molto moderato」は歌曲「雨の歌」「余韻」を主題としているそう。ここも遣る瀬ない風情満載、微妙に胸が痛むような旋律が続きました。(8:58)これは名曲でんなぁ、すっかり作品に目覚めましたよ。名曲を自覚させる素晴らしい演奏。

 Bachも技巧的な冴えはもちろん、どこにも力みや響きにの濁りを感じさせぬ演奏。ヴァイオリン一挺から宇宙の広がりを表現する至高の名曲「シャコンヌ」も煽ったり、激情に走らぬ正統な表現でした。Allemanda(2:59)Corrente(2:08)Sarabande(3:51)Giga(3:23)Ciaconna(13:59)これは最近聴いた室内楽中屈指の一枚でした。

(2024年6月15日)

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written by wabisuke hayashi