Bartok ヴァイオリン協奏曲第2番(イーゴリ・オイストラフ(v)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/モスクワ・フィル)/Vivaldi
Bartok
ヴァイオリン協奏曲第2番
イーゴリ・オイストラフ(v)/ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/モスクワ・フィル(1960年)
Vivaldi
2台のヴァイオリンのための協奏曲イ短調(作品3-8「調和の霊感」より)
ダヴィッド・オイストラフ/イーゴリ・オイストラフ(v)/ロイヤル・フィル(1961年)
Membran Wallet 600518
膨大な手持ち音源より聴き流しにならぬよう、週一回の【♪ KechiKechi Classics ♪】定例更新は自らの戒めのつもりです。Bartokは大好きだけど、 Igor Oistrakh(1931ー2021烏克蘭)は偉大なる父親の名声になんとなく押され気味だった名ヴァイオリニスト、彼の音源を取り出したのに特別な理由はありません。Bartokはおそらくは旧ソヴィエットの録音。29歳、ロジェストヴェンスキーも同年生まれだから将来有望な若者達による記録となります。音質かなり良好、バランスもよろしい。
Bartokに調性表記はないけれどロ短調?短調長調は曖昧に至っても、わかりやすい妖しい旋律が魅惑でしょう。二管編成だけど、多種多様な打楽器が近現代の作品らしい。ハープが重要な役割を果たしております。これはお気に入りの作品。第1楽章「Allegro non troppo」はハープの伴奏に乗ったヴァイオリン・ソロが第1主題が切ない。(ハンガリー風舞曲五音音階とか?)新旧種々メニューイン辺りが刷り込み?こちらずいぶんと素直にすっきりとした音色に、粗野な凄みを感じさせません。第2主題は切迫する12半音階全部使用?。そんな専門的な話はド・シロウトの埒外、ハードに美しくわかりやすい旋律はイーゴリのスムースな技巧によって、いっそう耳当たりよろしい。壮絶なカデンツァもちょいとマイルドに過ぎるくらい。(最終盤には四分音登場とはWikiの情報)(16:02)
第2楽章「Andante tranquillo」は変奏曲。ト調とのこと、つまり長調短調は曖昧。これもたっぷり妖しく、美しい詠嘆に充ちた主題から纏綿と歌って、ソロはクールに蠱惑であります。ここもデリケートなハープやらチェレスタ、各種打楽器との掛け合い、そしてヴァイオリン・ソロが絶叫してもイーゴリの音色は端正な佇まいを崩しません。自在なテクニックに細かい音型も繊細クリアに響きは濁らない、ロジェストヴェンスキーのオーケストラは解像度高く、各パートは有機的にソロに絡んでおります。かなり難解な楽章と思うけれど、それを感じさせぬわかりやすさ。(9:19)
第3楽章「Allegro molto」は風雲急を告げる民族的舞曲、目まぐるしい躍動も超絶テクニックを駆使してスムースなヴァイオリン。勝手な思い込みと思うけれど、Bartokってもっと粗野に暴力的破壊的な音楽?オーケストラとの掛け合いが緊張感を高めても、余裕の技巧を駆使してイーゴリは抑制を失わない。ロジェストヴェンスキーは細部描き込みも入念、緻密、精密、オーケストラの扱いは若いころから才気煥発でした。最終盤の緊張感、盛り上がりは素晴らしい。(12:15)
Vivaldi 2台のヴァイオリンのための協奏曲イ短調は哀愁の旋律が名高い名曲、DG録音でしょう。大昔駅売海賊盤で愛聴しておりました。これも音質まずまず良好。第1楽章「Allegro」から大規模に大味な弦楽伴奏にゆったりのんびり、リズムは昔風。親父のほうが音色が明るく豊満と感じて、ソロの掛け合いを愉しめるもの。(3:57)第2楽章「Largehetto spirituoso」のしっとり風情はバロックとは遠い、纏綿たる哀愁。(4:24)第3楽章「Allegro」下降音型から始まる最終楽章のリズム感もバロック風情にあらず、優雅なソロを堪能すべきもの。息子のほうがちょいと線が細い?と思うけど、どちらが親父か息子かちょいと自信はない。(4:05) (2022年9月10日)
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