Bartok ヴァイオリン協奏曲第2番(ティボール・ヴァルガ(v))/
2つの肖像/舞踏組曲(ルドルフ・シュルツ(v)/
フェレンツ・フリッチャイ)


DG Bartok

ヴァイオリン協奏曲第2番

ティボール・ヴァルガ(v)/ベルリン・フィル

2つの肖像
舞踏組曲

ルドルフ・シュルツ(v)/RIAS交響楽団

フェレンツ・フリッチャイ

DG 4792691/CD2 1951年録音

 この時期にしてオン・マイクな音質はリアルにかなり鮮明。モノラルである不満を感じさせません。

 Tibor Varga(1921-2003洪牙利)によるヴァイオリン協奏曲第2番は細かいヴィヴラートも表情豊かに骨太、美しい気品と熱気を湛えて、かなり強烈強靭パワフルなFerenc Fricsay(1914ー1963洪牙利)率いるベルリン・フィルとの掛け合いも緊張感たっぷり、聴手は息が詰まるほど。第1楽章「Allegro non troppo」冒頭の低音による主題はものすごくカッコ良いところ。それが自在に発展してテンション高いソロと爆発する管弦楽が厳しく対抗します。(15:34)第2楽章「Andante tranquillo」は夢見るように美しいヴァイオリン、そして中間部に不安な激情が走って激情たっぷりにやがて途中の細かい音形も怪しい。オーケストラも厳しいサポートぶり。(10:04)第3楽章「Allegro molto」は民族的な泥臭い旋律はハード、ヴァルガのソロは思いっきり濃い表情、細かい音形に技巧の切れ味は壮絶なものでした。ベルリン・フィルは惚れ惚れするほど各パート際立って美しく厚みのある響き。(11:59)これは今まで聴いたこの作品ヴェリ・ベスト。名曲を実感させてくださる立派な演奏。

 「2つの肖像」。「Egy idealis (One Ideal/理想的なもの)」はヴァイオリン協奏曲第1番とほぼ同じもの。こちら手兵のRIAS交響楽団、Rudolf Schulzの詳細情報はネットより探せませんでした(初代コンサートマスター)神経質に線の細い神秘的なヴァイオリンは不安げであり、高貴な風情に充ちて、静かにそっと高揚を続けます。(10:44)「Egy torz (One Grotesque/醜いもの)」はガラリと雰囲気が変わって、粗野にステリックなリズムが疾走するローカルな旋律はピアノ作品からの編曲でした。(2:28)

 「舞踏組曲」はModerato(3:34)Allegro molto(2:02)Allegro vivace(2:56)Molto tranquillo(2:29)Comodo(1:28)Allegro(3:47)、ニ管編成だけど多種多様な打楽器+ピアノ+チェレスタが必要です。東欧?アラブ?風情な土俗的に懐かしい旋律連続(変拍子)リズムがユーモラスにカッコよい作品。こちらもモノラルだけど音質良好。フリッチャイの重いリズム感、パワフルなサウンド、自在なオーケストラの統率に文句ありません。オーケストラは実力充分。

(2024年2月24日)

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written by wabisuke hayashi