Bach ブランデンブルク協奏曲集BWV.1046-1051
(マレク・シュトリンツル/ムジカ・フロレア)


Supraphon SU3942 Bach

ブランデンブルク協奏曲集BWV.1046-1051
第1番ヘ長調 BWV1046/第2番ヘ長調BWV 1047/第3番ト長調BWV1048/第4番ト長調BWV1049/第5番ニ長調 BWV1050/第6番変ロ長調 BWV1051

マレク・シュトリンツル/ムジカ・フロレア

Supraphon SU3942  2006年録音

 以前、チェコのサイトから太っ腹にも無料ダウンロードできた音源です。エエ音でっせ。ソロのクレジットはネットでも探せませんでした。もともとはConcerts avec plusieurs instruments (種々の楽器のための協奏曲集)との題名、どれも心踊る愉しい作品ばかり。どんな演奏でも良いけれど、レオンハルト/クイケン兄弟らによる古楽器演奏(1976-77年)に衝撃を受けて以来、基本は古楽器派なんです。

 第1番ヘ長調 BWV1046は超・快速に驚いて、鳴り渡るホルンはぶいぶいと野太く響いて大活躍。ノン・ヴィヴラートのヴァイオリン・ソロの美しいこと!ヴィヴィッド快活なスタイルは好悪を分かつかも知れません。ワタシは大好きですよ。第2番ヘ長調BWV 1047は意外、じっくりと地に脚をつけたテンポ。朗々としたトランペットは超絶技巧(時々、古楽器系のトランペットでたどたどしいのがあるけど、あれは楽器そのものが違うのでしょう)鳴り渡るリコーダー・ソロと旋律が競いあうのは録音のマジックか、それとも古楽器ならではのバランスなのか。そうとう鮮明な音質が際立っているところ。

 第3番ト長調BWV1048は再び快速疾走。弾むようなリズムは意外と生真面目に、しっかり力強いものです。短い第2楽章は素っ気なくも特別な趣向はありません。第4番ト長調BWV1049はやや速め、フツウの設定。かっちりとヴィヴィッドにリムズを刻んで、二本のリコーダーのスタッカート気味、やたらと存在が際立ちます。第1楽章終楽章のヴァイオリン・ソロは完全ノン・ヴィヴラートな超絶技巧でっせ。

 第5番ニ長調 BWV1050。これは快速とは云えぬ快活、楷書のリズムに足取りしっかりした演奏です。フラウト・トラヴェルソのソロにも弾むようなタッカートがノリノリ、魅惑のしっとりと太い音色。例のヴァイオリンと絡み合った装飾音はウキウキするほど魅力的でしょう。期待のチェンバロは意外とフツウです。第2楽章は泣ける旋律はソロ二人+チェンバロ(通奏低音にチェロが入らない)のみで纏綿と歌われ、終楽章は軽快に、そっとデリケートな出足から抑え気味な喜びが弾けました。

 第6番変ロ長調 BWV1051はヤケクソのような快速+叩きつけるようなアンサンブル。一転第2楽章は優雅に爽やかに歌って、終楽章もそのまま晴れやかな表情が続きました。

(2016年7月10日)

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written by wabisuke hayashi