Shostakovich 交響曲第5番ニ短調
(カレル・アンチェル/チェコ・フィルハーモニー)


SUPRAPHON COCO6766 Shostakovich

交響曲第 5番ニ短調 作品47(1961年録音)

Tchaikovsky

大序曲「1812年」作品49(1965年録音)

カレル・アンチェル/チェコ・フィルハーモニー

SUPRAPHON COCO6766  中古で800円


 2002年加筆分です。

  こんなサイトを作りながら言うのもなんだけど、自分の昔の文書を見るのは恥ずかしくて見てられない。いまでもこの曲はそう好きでもないけれど、当時はもっと嫌いだったはず。だから音楽に対する愛情があまり感じられません。その後、スロヴァーク盤を注意深く聴いたり、コンドラシンのテンションに圧倒されたり、バルシャイの新録音全集に感心したりで、ある意味Shostakovichに(ほんの少し)開眼したような自覚も少々ありました。

 いまでも「革命」は日本で人気曲なんでしょうか。〜というか、未だに第5番くらいしか演奏会にお客を呼べないのかも知れません。ワタシは、この作品の押しつけがましい旋律が好きじゃないんです。でも、うんとクールに精緻に仕上げてくれると悪くない。スロヴァークもバルシャイもその方向です。でも、コンドラシンの演奏をあらためて聴いてみると、いや、そんな単純な話しじゃないと。

 徹底して強烈に、怒濤の勢いでやって下さると、ある意味負けてしまいます。で、アンチェル盤を再聴するとやはり味わいは暖色系で、立派な演奏に間違いはないが、上記の意味合い〜クール精緻系でも、徹底テンション系でも〜ではない。アンサンブルの完成度は高いし、オーケストラの響きに味があるのは間違いないんです。この美しさは好きですよ。

 でも(これは純粋にワタシの、しかも、ごく最近の思いこみだけれど)Shostakovichには、難解さ・晦渋さ・冷酷さ・非情さ・暗鬱さを、明快(!?)にストレートに表現していただきたいもの。愛しきアンチェルさんは少々暖かいでしょうか。おそらくこの曲に対して、政治的な思い込みなどまったくなくて、ひとつの名曲として自分たちの個性を刻印したのでしょう。

   苦手Shostakovich入門には強面じゃないからお勧めだし、クール精緻系・徹底テンション系を一通りマスターした後に聴くと、また味わいが感じられます。中欧方面の歴史あるオーケストラの、暖かくて中低音が豊かに響く色合いも楽しめます。

 結局、なんやワカラん文書になってしまって、以下のもの(1998年辺り執筆〜2000年加筆?)と変わりません。開き直りでそのまま掲載継続。日本コロンビアの廉価盤シリーズは、さすがに最近は見かけなくなりつつあります。原盤契約の関係もあるのでしょう。(2002年3月10日)

 


  日本コロムビアの1,300円のシリーズは息が長いですね。いまだにどこへ行っても一通り見かけるし、ときどき1,000円のセールも有。(2000年にシリーズ改変で1,200円となりました)あまり魅力あるシリーズとは思わなかったのですが、タマに根負けして買うこともあります。それに、ワタシには安く買う「秘技〜廉価盤をさらに中古で」がありますからね。

 CPOはアンチェルが一番、と思っています。ノイマンはゲヴァントハウス時代がベストで、チェコ・フィルはダメになったような気もします。このCDは曲自体があまり好きではなかったので、ちょっと逡巡しながら買ったもの。でも、買って良かった。

 「革命」は、押しつけがましい勇壮な旋律が聴く気を萎えさせます。ロジンスキーの「怒れる演奏」は、あれはあれで徹底していて価値はある。「ウケ狙い」みたいな曲で、ちょっと聴いていて恥ずかしい。これはおそらくワタシの気持ちの持ち方の問題。

 でもアンチェルの演奏は違うんですよ。

 常に冷静であって、声高に叫ばない。ほとんど適度な早さを保ったテンポで、充分説得力があり、オーケストラの音色が暖かい。中欧伝統の音色と云うんでしょうか、中音域が豊かで気持ちがよい。集中力は一流。アンサンブルが優秀で力強さもありますが、音が濁ったり、うるさくなったりしません。第2楽章も抑制が利いていてリリカル、ラルゴのアンサンブルの精密さも、緊張感もピカイチに美しい。「本当の苦しみには、涙も出ない」といった抑制。

 この演奏であれば、押しつけがましさは感じられません。オーケストラも肩の力が抜けていて、余裕です。(ノイマン時代よりあきらかに上手い)クレツキとのBeethoven ではもっと素朴な音色だったのですが、ここではけっこう艶やかな響きも有。大昔、中学生の私はコンドラシンの(熱い)演奏に感動していました。最初からこの演奏を聴いていれば、ずいぶんこの曲に対する印象も変わっっていたかも。

 Tchaikovskyのほうは早めのテンポで、やや素っ気ない演奏。この曲はもっと芝居っけたっぷりでもかまわないでしょ。もちろん、オーケストラの暖かい響き自体は悪くありません。

 録音もやや地味ながら、聴きやすく、年代から考えれば出色の水準。


おまけ

Shostakovich

交響曲第 7番ニ短調 作品47(1957年録音)

カセットテープ アンチェル/チェコ・フィルハーモニー

米EVERESTのLPからテープに落としたもの。モノラル録音。

 「レニングラード」は、シュワちゃんとリエちゃんのCMで一躍有名に(もう誰も覚えていないか)なりましたが、CD時代になって一枚に納まるようになりました。ところが、私が以前持っていたLPはちゃんと(無理矢理)一枚になっていましたよ。(たしか1,200円)なんか、もの凄く盤質も悪かった。

 現在は正規にCD化されています。

 もうずいぶん前に、この曲を取り上げた(きっと旧ソヴィエットの)テレビ番組があって、初演当時の生き残り数人を配置したオーケストラで、おっかない顔をしたムラヴィンスキーが指揮をしておりました。(ま、つくりものでしょうけど)

 その時の印象が強かったせいか、アンチェルの演奏はずいぶん素っ気なく感じたものです。いま、聴き直してみると5番と同じような方向の演奏ですね。ほとんどイン・テンポで、よけいな思い入れは感じさせない。ただ音質のせいか、曲の性質にもよるのか、かなり「熱い」演奏ではあります。

 あまり良質とは云えない音ですが、オーケストラのアンサンブルの優秀さ、暖かい音色は感じられます。けっこう楽しめます。


おまけのおまけ

 私は昔からケチでしたので、このテープの余白に録音して埋めています。

ボロディン「だったん人の踊り」(ホルライザー/VSO)
ドヴォルザーク交響曲第8番より第3楽章(ルートヴィヒ/LSO)

 渋いでしょ。ホルライザーはけっこう厚みのある音で、ルートヴィヒは勢い重視の荒々しい演奏でした。

 


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written by wabisuke hayashi