Brahms アルト・ラプソディ 作品53(ブルマイスター(a)
/ボンガルツ/ライプツィヒ放響/男声合唱団)+歌曲集


BerlinClassics 0031402BC  400円で購入 Brahms

アルト・ラプソディ 作品53(ゲーテの「冬のハルツの旅」からの断章)

アンネリース・ブルマイスター(a)/ハインツ・ボンガルツ/ライプツィヒ放送交響楽団/男声合唱団(ホルスト・ノイマン)(p)1968

歌曲集

セレナード 作品106-1/柳の林の中に 作品97-4/船上にて 作品97-2/テレーゼ 作品86-1/すぐ来てね 作品97-5/花の環 作品84-2/乙女の歌(最後の審判の日)作品95-2/娘の歌 作品107-5/メロディのように 作品105-1/あなたのところへはもはや行けない 作品32-2/我がまどろみはいよいよ浅く 作品105-2/愛のまこと 作品3-1/私たちはそぞろ歩いた 作品96-2/永遠の愛について 作品43-1

ジプシーの歌 作品103(全8曲)

アンネリース・ブルマイスター(a)/ヘルムート・プフォイファー(p)(p)1971

BerlinClassics 0031402BC 中古400円で購入

 エイドリアン・ボウルトのBrahms 交響曲全集は素晴らしき遺産だけれど、手持ち在庫整理中、音質不備を感じて処分してしまいました。ジャネット・ベイカーの「アルト・ラプソディ」だって盤石の貫禄なのだけれど、じつは比較対照のために取り出した、このブルマイスター/ボンガルツによる演奏を聴いて、ほの暗い深遠さに驚いたものです。もともとは後半の歌曲集のみのLPだったらしくて、CD収録に際して再構成されたものでしょう。良くできた配慮ある編集です。ジミだから売れない(かった)だろうが。録音も極上。

曲・演奏家とも地味渋系で、これは貴重です。「アルト・ラプソディ」って、ややワケワカラン曲で、ブルマイスターのそうとうに濃厚な歌いぶり、ボンガルツの盤石・充実バック(これぞBrahms でっせ!)で初めて説得力を持つような作品でしょう。音質も明快。中低音が充実した独墺系の音です。男声合唱も胸にジ〜ンときます。歌曲は歌詞が理解できないが、ちょっとハマりそうな「ほの暗系」旋律がピアノに映えて、なんやら魅力的。誰か教えて、題名を歌詞の意味を。
などというノーテンキなコメントが残っているのが2002年8月4日。光陰矢の如し。でも、ほとんどこの通りでして、初めてこれを聴いて感動したっ!作品の真価を知った!というのが正直なところ。

 ハインツ・ボンガルツ(1894〜1978年)はジミな(録音の少ない)実力派でして、ライプツィヒ放響がこんなに立派に鳴るの?的驚愕の渋い漆黒サウンドに至っていて、これぞBrahms !と期待したい”音”が鳴るんです。アンネリース・ブルマイスターは旧東独逸の名アルトであり、時にゆらゆらと不安げに、高貴・圧巻の貫禄を以て誇らしげに歌います。暗鬱とした第1/2部を過ぎ、ハ長調の第3部で合唱が加わると一条の光が射し込むように暖かい世界が広がりました。

 ホルスト・ノイマンの合唱団が荘厳なる暖かさで包み込みます。わずか13:40のドラマ也。

 残響豊かであり管弦楽合唱団を伴う前曲と、歌曲集ではちょっと音質的に違和感があるでしょう。しかし、いずれ優秀録音に間違いなし。ヘルムート・プフォイファーのピアノはしっとりと瑞々しく、ブルマイスターの声は聴き手に接近します。オペラ、管弦楽伴奏、そしてピアノ伴奏では声の出し方が全然違うそうですね。

 歌曲集は題名を検索するのがやっとでして、もちろん歌詞の意味合いは理解できておりません。ブルマイスターは宗教作品やWagnerに多く録音が残っているようだけれど、いかにも厳粛で生真面目な表現となります。揺れ動く情感ではなく、どっしりとして朗々と動じないもの。(「永遠の愛について」には雄弁かつ激しい慟哭が聴けるが)プフォイファー(p)の成果か、ほとんどBrahms のピアノ作品と同質の感動を得られました。

 「ジプシーの歌」には、もっとリズムが激しくて表情豊かとなります。馴染みの「ハンガリー舞曲」を連想すると、ちょうどそんな感じ。よく似た旋律頻出しました。

(2008年3月28日)

 


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written by wabisuke hayashi