千里・フィルハーモニア・大阪第53回定期演奏会 (2025年11月9日いみずホール)
Haydn
交響曲第85番 変ロ長調「王妃」
Kraft
チェロ協奏曲ハ長調 作品4
北村 陽(vc)
Elgar
エニグマ変奏曲
澤 和樹/千里・フィルハーモニア・大阪
2025年11月9日いずみホール(京橋)
前回演奏会に出掛けたのは2023年12月、なんとほぼ2年ぶり。すっかり出不精になったのと、演目がありきたり、なんだかなぁ〜みたいな不遜な感じにムダな時間が過ぎ去りました。今回、お誘いを受けて重い腰を上げたのは比較的ジミなHaydnの交響曲、ちょっと知名度の低いAnton Kraft(1749-1820捷克)のチェロ協奏曲、そして日本では演奏機会は少ないElgarの名曲「エニグマ」、魅惑の演目が揃ったため。席数871中8割以上は埋まっておりました。観客は爺婆が多いなぁ(含むワシ)10年後のクラシック音楽はどうなるのか。千里・フィルハーモニア・大阪のメンバー過半は女性でした。アンサンブルはなかなか見事でしたよ。
Haydnの交響曲第85番 変ロ長調「王妃」は1785年頃の作品。所謂「パリ交響曲」中の作品。fl-1/ob-2/fg-2/hr-2+弦。トランペットもティンパニもありません。「Adagio - Vivace」「Romanze: Allegretto」「Menuetto: Allegretto」「Finale: Presto」シンプルに闊達なHaydnの旋律リズムを堪能いたしました。
演目はよく考慮され、徐々に編成が大きくなるのですね。Kraft チェロ協奏曲ハ長調は事前学習していて、その超絶技巧に驚いておりました。編成にティンパニとトランペット2本が加わって、リズムにキレとパワーが加わります。北村 陽さんは2004年生まれ、若いっすよ。「Allegro aperto」「Romance」「Rondo alla Cosacca」高音域を多用してもう完璧なテクニック。アンコールは静謐に深遠なCasals「鳥の歌」でした。
ラストは待望の「エニグマ」。いくらエイドリン・ボウルトやジョン・バルビローリの録音が名演でも、生演奏の鮮度に敵うはずもありません。打楽器は4人、ティンパニもカッコ良いけれど、大太鼓の低音がズシリと響きます。ファゴットのみならずコントラ・ファゴット、金管にトロンボーンが入り、チューバが加わって、その迫力は筆舌に尽くしがたいもの。Elgarの一種独特の低い曇り空のようなサウンドのキモはヴィオラとチェロなのですね。妙齢のステキな女性のソロに泣けました。アンコールは弦楽セレナーデ ホ短調第2楽章「Larghetto」〜こんなにデリケートに静謐な作品を据えるのも粋なものです。 (2025年11月9日)
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