刈谷市民管弦楽団第36回定期演奏会
(井崎 正浩指揮/2019年8月11日刈谷市総合文化センター・アイリス大ホール)


Mahler

さすらう若人の歌

谷田 育代(ms)

交響曲第5番 嬰ハ短調

井崎 正浩/刈谷市民管弦楽団

 猛暑の盆休み中。女房殿不在、市立体育館トレーニングルームには真面目に通っているけれど、基本無為無策、引き隠って音楽は聴いていても所詮”音楽の缶詰”、鮮度のよろしい生音楽を聴きたい!自宅より会場まで片道一時間半、Mahler求めて出掛けましたよ、根性入れて。往復、しっかり読書できました。

 21世紀には三河の工業都市にあるアマオケでも、立派なMahlerが聴ける時代になったのですね。4管編成でっせ、21世紀近代管弦楽の精華は実演でこそ!「さすらう若人の歌」はたしか生・初体験。谷田さんの声はよく通って、これはMahlerの管弦楽伴奏がバランス良く配慮されているのは当たり前。馴染みの懐かしい、交響曲第1番の旋律たっぷり堪能いたしました。

 たしか生演奏経験済の交響曲第5番、発見はいっぱいありました。第4楽章「Adagietto」が絶品、ハープの低音がいかにもMahler、彼(か)の官能性はScho"nbergの「浄められた夜」を連想しませんか。第1楽章「葬送行進曲 In gemessenem Schritt. Streng. Wie ein Kondukt.」はトランペット協奏曲状態、第3楽章のスケルツォ「Kraftig, nicht zu schnell.」はホルン・ソロが別に場所を移動して、ホルン協奏曲並みの活躍、おじさん達は気持ちよく、堂々と吹いてましたよ。一世一代の出番やろなぁ。演奏雄姿は自宅じゃ経験できませんから。

 多種多様な打楽器、大太鼓の低音、圧巻のドラ、講釈師の張り扇みたいな楽器はなんですか?ティンパニはド迫力でっせ。チューバの低音は腹に響いて(女性)、クラリネットのベル・アップ風景もいかにもMahler。終楽章「Rondo-Finale. Allegro giocoso」は金管の乱舞、最終盤はアンコールして下さいました。

 最高。

(2019年8月11日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi