Viavldi 協奏曲集「和声とインヴェンションへの試み」作品8/1ー4「四季」
(フェリックス・アーヨ(v)/ヴィットリ・ネグリ/ベルリン室内管弦楽団)


PHILIPS 422-484-2 Viavldi

協奏曲集「和声とインヴェンションへの試み」作品8/1ー4「四季」

フェリックス・アーヨ(v)/ヴィットリ・ネグリ/ベルリン室内管弦楽団/ジェフリー・テイト(cem)(1975年録音)

協奏曲ト短調 RV577「ドレスデンのオーケストラのための」

協奏曲ハ長調 RV556「聖ロレンツォの祝日のために」

シュターツカペレ・ドレスデンのメンバー(1970年録音)

PHILIPS 422-484-2

 これはネット音源として拝聴可能らしいけれど、珍しい録音でしょう。誰でも知っている「イ・ムジチの四季」(1959年)として鉄板評価なFelix Ayo(1933-西班牙)がVittorio Negri(1923ー1998。この人はイ・ムジチ録音のプロデューサーとして著名)と組んだベルリン録音、更に自在に闊達な通奏低音がJeffrey Tate(1943ー2017)という豪華メンバーでっせ。オケはヘルムート・コッホ(Helmut Koch, 1908ー1975)が創立したKammerorchester Berlin、インターナショナルと云うか、独逸のオケによるVivaldiも乙なもの。往年のPHILPSアナログ最盛期の録音も特筆されるべき音質であります。

 ニコラウス・アーノンクール以来の過激な「四季」(1976年)に慣れた耳には少々穏健、オーソドックスなスタイル。時代は一巡りして”古楽器こそ正しい!”みたいな硬派路線に非ず”古楽器もモダーン楽器も”な時代へ、華麗なる加齢に嗜好も保守化を深めて、こんな過激にアクセントを強調しない昔馴染みなのもエエじゃないか。なんせアーヨのヴァイオリンが美音でっせ、イ・ムジチではもっとカリッとしたフレージングだったような記憶もあったけれど、あれは伊太利亜のアンサンブル全体の印象だったのか。それとも未だ26歳の若さだったのか。しっとり艶々として中低音が豊満な明るい音色は健在です。前のめりにバリバリなスタイルではなく、中庸なテンポ、バランスを以て瑞々しく響き渡るヴァイオリン・ソロ、文句なし。

 ネグリ率いるベルリン室内管弦楽団は独逸の音やなぁ、重心が低く(中低音の存在感有)落ち着いた風情、重くはないけど、清潔なフレージングは充実して練り上げられた響き+それにジェフリー・テイトの通奏低音が(小さくジミに)ソロに絡んで主旋律を追いかけ、時にはっとさせる装飾音大活躍。楽章ラストに必ずルバートして名残惜しく終える昔懐かしいスタイル、しっとりデリケートに歌う緩徐楽章にも違和感はない・・・というか、妙に安心します。強弱を強調しすぎて過激にあざと(小聡明)くならず、独逸らしい決然としたリズムもちゃんと感じさせるのも立派でしょう。

 聴くほどに、作品が進むごとに深まる愉悦。”「四季」なんて食傷気味”そんな罰当たり似非音楽ファンを嘲笑うかのように魅惑のサウンドが続きました。こどもの頃から馴染みの作品、しっかり新鮮に堪能いたしました。

 Vivadi時代のドレスデンの宮廷オケには管楽器が多彩に配置されていたとのこと。「四季」(管楽器付きドレスデン版)というのも存在します。協奏曲ト短調 RV577のソロにはヴァイオリン、リコーダー2、オーボエ2、ファゴットを配置、協奏曲 ハ長調RV556には2本のトランペット、2本のフルート、オーボエ、チェロ、ハープ(!)迄参加して、多彩な響きであります。こちらはアーヨとかテイトは参加していないようで、件(くだん)のドレスデンのオケ担当。これはかなりスケール大きく硬派な作品、演奏でした。

(2018年8月11日)

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written by wabisuke hayashi