VIVARDI 協奏曲集(ムジチ・デ・サンマルコ)


Vivaldi

弦楽とオルガンのための協奏曲ニ長調 作品12の3 RV.124
チェロ協奏曲ト長調RV.415
2本のフルートのための協奏曲ハ長調RV.533
2台のヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調RV.524
マンドリン協奏曲ハ長調RV.425
ヴァイオリン協奏曲 変ホ長調 RV.256「引退」
協奏曲ハ長調RV.116
2本のオーボエ、二つのホルンのための協奏曲ヘ長調RV.571

リッツィオ/ムジチ・デ・サンマルコ(ソロのクレジットなし)
PILZ CD160 110  800円くらいで購入。

マンドリン協奏曲ハ長調RV.425
チェロ協奏曲ニ長調*
2つのトランペットのための協奏曲ハ長調RV.537*
2本のオーボエ、二つのホルンのための協奏曲ヘ長調RV.571
ヴァイオリン協奏曲 変ホ長調 RV.256「引退」
フルート協奏曲ト短調 作品10の2 RV.439「夜」*
合奏協奏曲ニ長調 作品12の3RV.124

リッツィオ/ムジチ・デ・サンマルコ
*ドゥヴィエ/カメラータ・ロマーナ
(ソロのクレジットなし)
省心書房(POINT) CC064 (クラシック・コレクションの付録。980円?)

 ドゥヴィエ/カメラータ・ロマーナは完全なる幽霊、リッツィオは幽霊、ムジチ・デ・サンマルコはいただいた資料には登場していないけれど、そうとう怪しい団体。ワタシがPILZ系音源を無邪気に喜んでいるのを見かねた方から、詳細資料を提供していただいて、いっそう興味深く、楽しく聴いている今日この頃です。

 この2枚は、4曲同じ音源がダブっていまして、つぶれたPILZからPOINTへ音源が流れたのが読みとれます。PILZは「(c)1989 PILZ COMPACT DISK」(貴重なライナー・E・ピルツ会長の写真入り。曲名表示非常にいい加減)、省心書房(現デアゴスティーニ)は、一部演奏家表示が間違っています。

 PILZのほうは、CD本体印刷に「オーセンティックな楽器による協奏曲とシンフォニア」と明記されており、実際聴いた感じは古楽器の音ですね。ところが、ムジチ・デ・サンマルコによるCDは、ほかにハイドンの交響曲を2枚(CD160 302/CD160 301)持っていて、なかなか優れたアンサンブルながら古楽器による演奏ではありません。

 これひとつ取っても、我らが「ムジチ・デ・サンマルコ」の実在は怪しい。だいたい、指揮者の方が幽霊とはっきりしているわけですから(・・・・と興味は尽きません)。音楽は「名前」で聴くわけじゃないんですよ・・・・(といいつつ真実の演奏家は知りたい)。

 (PILZのほうをベースに)こうした激安方面のバロックとしては、選曲が凝っていますね。ヴィヴァルディと云えばふつう「四季」「調和の霊感」「海の嵐」くらいまででしょう?どれも似たような曲ではあるけれど、多彩で軽快で当たり外れがないのがありがたいもの。

 「作品12-3」は作品番号付のなかでも録音も少ないし、いきいきとした多彩な躍動感はいつも通りの快感。どういうわけかオルガンはほとんど聴こえません。透明でさらりとしたアンサンブル。

 チェロ協奏曲は、のちの時代に聴かれる雄弁なソロではなくて、細かい音形を中心とした軽快さ。短調への変化もあって楽しい曲です。ソロの技術は充分ですが、音量は抑え気味です。

 2本のフルートのための作品は、冒頭の弦のピツィカートとフルートの同じ音形の重なり合いが、まるでマンドリンのような効果。フルートは素朴すぎず中庸で、チェロの通奏低音が美しいのも効果的でしょう。いつもの屈託ない旋律。

 2台のヴァイオリンのための協奏曲は、かなり知られている優雅な旋律。ソロはちょっと線は細いが、繊細な味わいで美しい。

 マンドリン協奏曲は、誰でも知っているシンプルな曲。ギターでも演奏されることがあります。ひっそりとずいぶん静かに、可憐に、透明に演奏されます。

 「引退」って、どういう経緯で付いた題名かわかりませんが、これは楽しげな「引退」だなぁ。有名な曲だと思うんですが、調べてみるとこれも録音は意外と少ない。ヴァイオリン・ソロはそうとうな技量が要求されそうな曲です。

 RV.116のハ長調協奏曲も、他でなかなか探せない合奏協奏曲です。アンサンブルの水準の高さを堪能できます。3楽章が「秋」にちょっと似ている。

 オーボエとホルンのための協奏曲は、オーボエの粗野な音色がとくに最高で、ホルンの割れた音もいい感じ。ヴァイオリン、チェロのソロ、ファゴットも活躍します。これだけ多彩だと、「ヴィヴァルディはどれも同じ」みたいな印象は消え去るでしょう。

 昨今の元気良く、リズムの切れ味鋭い古楽器演奏とは異なりますね。適度な残響が良く解け合った素晴らしい録音。ややおとなしく、個性的ではありませんが、充分な技量と透明なアンサブルの水準は極めて高い。お薦めです。

 もう一枚の方は、ちょうど「カメラータ・ロマーナ」の4曲分が別収録。この団体、もちろん幽霊ですが、そうひどいアンサンブルでもなくて、楽しめる録音もあります。ただし、古楽器のアンサンブルと並べて収録すると違和感は相当あり。

 チェロ協奏曲ニ長調。曲の出典はわからず、調性から類推してRV.403かと想像します。バックの弦の奥行きと残響が足らず、ガサついていますが、ソロは雄弁でこれだけ聴けば悪くない演奏。

 有名な2つのトランペット協奏曲は、録音の感じがずいぶん違っていて、違う団体による演奏かも知れません。トランペットは立派で、バックは普通。

 これも有名な「夜」は、チェロ協奏曲とよく似ていて、フルートはふくよかな音色で悪くないものの、バックはいまひとつでした。リズムも少々重い。大時代的金属的なチェンバロが活躍するのは私の好み。

 その後「ムジチ・デ・サンマルコ」の別録音に出会っていません。きっと、この録音のみ古楽器による別団体による演奏なのかな、と想像しています。出色の録音・演奏です。

   


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written by wabisuke hayashi