Verdi 歌劇「椿姫」/「オテロ」抜粋


Verdi

歌劇「椿姫」抜粋

ピターミック/ニュルンベルグ交響楽団/ヤスパー(s)フェアルカーク(t)クノール(br)

歌劇「オテロ」抜粋

歌劇「運命の力」序曲
歌劇「アイーダ」第1幕への前奏曲
勝利の行進曲

ケルテス/アウグスブルグ市立管弦楽団(との表示。歌手不明)

PILZ 449280-2  録音年不明(DDD表示は怪しい)  2枚組390円で購入


 数年ぶり再聴です。これもトスカニーニ指揮する「椿姫」(1946年)のテンション高い演奏に驚いた故。天才のワザは、名曲の名曲たる所以をわかりやすく明示してくれることにあるのでしょう。従って、他の(仮に少々演奏水準的に落ちる)演奏を聴いても、以前とは雰囲気が違って聞こえるんです。ま、声楽ものに弱いワタシも、こうして少しずつお勉強をしていくこととなる。

 「椿姫」は、全編に漂うセンチメンタルな旋律がたまらない味わい。全体に音質がやや怪しくて、トスカニーニでは泣けた前奏曲も、少々ヒステリックな弦が気になります。(第3幕への前奏曲も同印象)有名な「乾杯の歌」のテナーもソプラノも、なかなか劇的で立派な歌唱に間違いはないが、オケが薄いのが気になります。イタリア・オペラってこんなもの?(だって、トスカニーニでは全然違うから)

 「さよなら、過ぎ去った日々よ」は、歌い手のみ異様に大きな音で録られているが、これは絶唱です。「パリを離れて」の2重唱も堂々たるテナーと、可憐なソプラノが文句なく絡み合います。終幕では、トスカニーニ盤のアルバネーゼの咳き込み(労咳だから)が説得力を持っていたが、ここでは咳は出ません。(あれは演技なのかな?)やや「なんとなく終了」風か。(50分収録)


 ケルテスの「オテロ」は、オケも主役も圧倒的にスケールが大きく、劇的です。もともと曲がそうなのかもしれません。今更「あのケルテスの録音」と判明したせいでもないが、雄弁な表現になっていて、なかなかの完成度合い。但し、36分のみの収録でした。お勉強、というには充分立派な演奏です。音質も悪くない。

 「運命の力」「アイーダ」は、「オテロ」と音の感じが違うから、別の演奏でしょうか。響きが薄いが、音質自体はそう悪くありません。オケは上質とは言い難いが、ていねいな演奏振りです。それはそれとして説得力があって、もしかしてケルテス自身の上記オペラとは、別な機会の録音である可能性もあります。

 結果的に、そう目覚めたとも言い難い状態で、お粗末。いつもの通り数年前に書いた文書は、以下そのまま。(2002年4月12日)


 PILZでは、演奏家のネーム・ヴァリューはともかくとして、オペラも格安で手に入ります。全曲録音がもともと存在するのかはよくわかりません。ほか、ヴェルディでは「アイーダ」(グミュール/ニュルンベルグ響)「リゴレット」(ザナテルリ/ニュルンベルグ響)の抜粋、ワーグナー「トリスタン」(ロベルト・ワーグナー/インスブルック響)の2枚組抜粋なんてのもありました。

 ワタシのような「永遠のオペラ初心者」には、これで充分のお勉強でもあり、楽しめるCD。なにより安い!

 「椿姫」〜誰でも知っている(ワタシでも)、いかにも日本人好みの「お涙ちょうだい」ストーリー。心より愛する男のために身を引く、ありがちな演歌の世界。いいですね。短い前奏曲や「乾杯の歌」は有名で、知っている旋律ばかりですので、50分ほどの抜粋なら飽きずに聴き通せます。

 ニュルンベルグ響は、この都市自体は知名度が高いものの、オケは知られてないでしょ?実在のオケと思うのですが、じつはフランクとかベルクとかけっこう録音はあって、なんどもLPやCDでは聴く機会がありました。ピタミックは実在の人らしいけど、メディアフォンを原盤とする廉価盤にしか登場しないところが親近感を感じさせます。

 おそらく旧い60年代くらいの録音じゃないでしょうか。音の粒立ちが粗いし、奥行きも足りない。デジタル化は失敗しているみたいで、高音が刺激的でオケもソプラノも聴いていて、疲れる。

 オケは録音のせいだけでもなく、弦の潤いのなさなど少々怪しい演奏。でも、ヴィオレッタ(和訳すみれちゃん〜うわっ、源氏名みたい)のソプラノ(これ、コロラトゥーラ・ソプラノっていうんでしょ)は、じつに声量もあるし、のどもよく回ってすばらしい。アルフレッドのテナーも、堂々としていて立派に感じました。(歌モノはあまり知らないので、こんなもんで勘弁して下さい)


 「オテロ」。このCDには「イストゥヴァン・ケルテッツ」指揮となっていて、へぇ〜、ケルテスと同姓同名だ、と感心していたのですが、調べていくうちにほんものらしいことがわかってきました。

 1973年に亡くなったイシュトヴァン・ケルテスは、1958年からアウグスブルク歌劇場の指揮者を務め、1960年から1963年には音楽総監督だったそう。「歴伝クラシック洋楽名盤宝典」(株)音楽出版社P143に、ケルテスがハンガリー動乱を期に、故国を離れて最初のポストであったアウグスブルグ歌劇場で「オテロ」(抜粋)の録音をしている旨(独メディアフォン)掲載されています。オケの表記は少々異なるものの、この演奏はまちがいなくケルテスのものと推察されました。

 ドイツではコンサート専門のオケは少なくて、圧倒的に歌劇場付きである場合が多いので、アウグスブルグ歌劇場は、もしかしたら「市立管弦楽団」なのかも。(ニュルンベルク響もそうかな)

 先入観抜きにして(このCDを買った頃は上記のことは知らなかったので)、「椿姫」より録音状態もずっと良いし、いかにも劇場の奥行きとか、雰囲気がよく出ています。オケも「厚み」とまではいかないものの、安定して貫禄充分。金管と打楽器の絡み合いの緊張感もたしかな手応え。ただし、36分しか収録されておりません。

 歌手のクレジットはないのですが、イアーゴのバス(?)が貫禄があって、素人目にも一流の歌。デズデモーナのちょっと悲劇的な声、肝心のオテロも甘く、幅の広い声でいい感じ。つまり、歌い手はかなり良いところを揃えていると判断されます。

 3曲分、ヴェルディでは良く演奏されるコンサート・ピースが収録されていて、こりゃ収録時間の配慮ですな。ほんとうにケルテスの演奏かどうかはやや怪しい。オケの響きが、「オテロ」より薄くて、録音の感じも軽めです。解釈自体は、あわてず、騒がず、落ち着きのあるテンポで、アンサンブルの緊張感も継続します。金管の迫力もそのまま。歌のバックとしてはともかく、こうした単独の管弦楽曲としてはアラが出るのでしょうか。


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written by wabisuke hayashi