Tchaikovsky 交響曲第4番ヘ短調
(エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル1960年)


これはDG正規デザイン Tchaikovsky

交響曲第4番ヘ短調

エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル

Echo Industry CC-1019 DG 1960年 ロンドン、ウェンブリー・タウン・ホール録音

 現在でもBOOK・OFFに見掛ける(こともある)駅売海賊盤、1990年台に咲いた徒花的存在でしょう。当時のCDは@1,000でも安かったんですよ、21世紀には価格崩壊、挙句にネットやデータで音楽を聴く時代となりました。2020年7月CDはとうとう最終処分して、最低限残したのみ、この駅売海賊盤2枚分は偶然、たまたま残ったもの、捨てるのも忍びないし、ちゃんと聴いておきましょう。鋭い耳+高級オーディオとは縁の薄い自分には、それなりのまともな音質と感じました。サウンドの粒が粗いのは、そんなオケの個性なのか。オリジナルは遠い昔、LP時代より聴いたこともありませんし。

 Evgeny Mravinsky(1903ー1988露西亜)は20世紀を代表する巨匠、57歳の記録。音質環境が整った録音は少ないかも知れません。このTchaikovskyの後期交響曲3曲は演奏旅行中の記録。DGのスタッフが状態よろしく記録に残してくださったことに感謝。あまりに著名な存在、マイナー狙いな自分にはやや縁遠いものでした。

 第1楽章「Andante sostenuto - Moderato con anima - Moderato assai, quasi Andante - Allegro vivo」の冒頭、「運命のファンファーレ」から金管は圧巻の威圧感、この強烈さ、泣きの風情は亜米利加辺りの色彩とは異なる”灰汁”を感じさせるもの。劇的な弦の旋律がせり上がって、それをつんざく金管の鋭さに魂を揺さぶられるような感慨に至ります。ファゴットとホルンによる子守唄風静謐な部分はビロビロのセクシーな音色、大爆発と抜いた静けさの対比もお見事な技でございます。やがて大音量に「運命のファンファーレ」が回帰する鋭い金属的な響きはパワフルそのもの。オケは申し分なく上手いけれど、独墺系やら亜米利加のオケとは意味の違う味は濃厚過ぎ。(18:38)

 第2楽章「Andantino in modo di canzona - Piu mosso(歌の様式によるアンダンティーノ)は主題を奏でる寂寥のオーボエも硬質、やがてそれは弦に引き継がれて悲しげな表情はデリケートに豊かなものだけど、やはりサウンドは硬質、そしてパワフルな音量に持っていく力感に圧倒されます。木管オブリガートの呼応も完璧なアンサンブル、自在にテンポを疾走させて興奮を煽る素晴らしい歌はクールでアツい。そして途方に暮れたような静謐に戻す表情は、自在なコントロール。(9:14)

 第3楽章「Scherzo: Pizzicato ostinato. Allegro - Meno mosso」はご存知、弦のピチカートによる強烈な印象を残すスケルツォ。それも存在感たっぷり、豊かな表情の変化を伴います。やがてやや剽軽なトリオが管楽器によって始まるけれど、この辺りのアンサンブル、木管の呼応も精緻完璧。そして弦のピチカートに戻る・・・息詰まるような緊張感が続きます。(5:47)そしてアタッカで第4楽章「Finale: Allegro con fuoco」へ。ここのテンポが速い!金管と目まぐるしい弦の絡み合いは超絶技巧+テンションはMAXへ、興奮の渦に叩き込まれます。第2主題は露西亜民謡?デリケートに始まって、もりもりと勢いと迫力を増していく演出の巧さ、濃淡の描き分け、疾走感の素晴らしさ。パワフル爽快なカタルシス。そして冒頭「運命のファンファーレ」回帰・・・凄いもんでっせ。やがて静かにほとんど音楽は止まるように油断させて、最後は全力疾走大爆発が待っておりました。(7:50)

(2020年8月22日)

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written by wabisuke hayashi