バロック・オーケストラへの招待状(ターフェル・ムジーク)
Highlights On Period Instruments


SONY SRCR-8948  1990/91年録音 Vivaldi

4台のバイオリンのための協奏曲ロ短調 作品3-10RV580
チェロ協奏曲イ短調 RV418
アンナー・ビルスマ(vc)

Handel

合奏協奏曲ニ長調 作品3-6

Geminiani

合奏協奏曲ニ短調 作品2-3

Mozart *

ハフナー・セレナーデ ニ長調K.250〜第8楽章「アダージョ〜アレグロ・アッサイ」
セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
歌劇「後宮からの誘拐」K.384 序曲
歌劇「魔笛」K.620 序曲

ジーン・ラモン(リーダー)/ブルーノ・ヴァイル(*)/ターフェルムジーク・バロック管弦楽団

SONY SRCR-8948 1990/91年録音

 1992年発売@1,000(当時激安!)の来日記念盤、もう入手20年経ちました。当時、古楽器演奏は先鋭的、実験的であり、ワタシ如き市井のド・シロウトには敷居の(値段も)高いものでした。やがて幾星霜、聴き手は華麗なる加齢を重ね、元気な若手も大ヴェテランへと逼塞いたしました・・・閑話休題(それはさておき)これ、ようできた、誰でも知っている古楽器入門用選曲と思います。独逸の指揮者ブルーノ・ヴァイル(1949-)その後の活躍詳細は知らぬけれど、ジーン・ラモン率いるTaferumusik(カナダ・トロント)はその後、継続して録音を重ねております。

 「調和の霊感」から(おそらく)一番人気、4台のヴァイオリン協奏曲はBach の編曲によっていっそう有名になったことでしょう。これがなんとも味わい深い親密+先鋭になり過ぎぬノリノリのリズム感、コクのある響きに魅了されます。ノン・ヴィヴラート奏法は素朴であり(装飾音も)みごとなソロ+自在に華やかな通奏低音(チェンバロ)が絡みます。LP時代からぼちぼち古楽器を聴き始めて、時にあまりに素っ気ない(美しくない)音色に失望した記憶も・・・チェロ協奏曲はなかなか劇的、躍動するヴィヴィッド超絶テクニックを堪能できます。引き締まったリズム、しかし攻撃的ではない、ビルスマのチェロは艶消しにくすんで、朗々と歌います。馴染みのVivaldiに、いつになく深みを感じさせる大きな存在感。

 HNADEL第1楽章は粗野なオーボエが主役であり、全体を支える弦には絶妙な”粘り”有。小編成なのに、サウンドには厚みたっぷり、ゆったりとしたリズムにもノリたっぷり。第2楽章「アダージョ」は暖かい野性味のあるフルート+ヴァイオリン(ジーン・ラモンかな?)が切々と歌います。通奏低音はテオルボでしょうか。第3楽章「アレグロ」にも快いざらつきある弦のアンサンブルが続き、終楽章にはオルガン・ソロ登場。憂いのある旋律を華やかなサウンドにて締め括りました。なんて多彩、楽しい作品!Geminianiは緩急緩の洗練されたサウンドであって、弦の技術が冴え渡りました。素っ気ない、薄い、そんな古楽器先入観払拭流麗な世界。

 Mozart 以降は編成も大きくなって、ヴァイルの個性?響き厚く、迫力いっそう増しております。ハフナー・セレナーデ K.250は、ヴァイオリン協奏曲部分を除いて5楽章の交響曲仕立て、その最終第5楽章として演奏されております。名曲(ワタシのクラシック音楽との出会いでもある)「小夜曲」は快速テンポ、表現としてはさっぱり現代(いま)風、第1楽章「アレグロ」は繰り返し実行7:31掛かります。ブルーノ・ワルター辺りに馴染んだオールド・ファン(含む自分?)には少々素っ気ない印象かも。

 「後宮」には賑々しい躍動有。「魔笛」序曲は荘厳なる序奏もさっぱりとした風情、やがて疾走する主部に入って、古楽器特有のコクのあるサウンド響き渡りました。重くもなく、軽すぎない。寄せ集め一枚だけど、違和感なく上手く聴きどころ取り揃えた一枚です。ちゃんと調べていないけれど、元々全曲収録盤はビルスマ除いて全部廃盤?かも。

written by wabisuke hayashi