Bach カンタータ集「キリストは死の縄目につき給えりBWV4/「主よ、われ汝を求む」BWV150/
「主はわれらを思う給う」BWV196(鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン)
Bach
カンタータ「キリストは死の縄目につき給えり」BWV4(1707年)
カンタータ「主よ、われ汝を求む」BWV150(1708-09年)
カンタータ「主はわれらを思う給う」BWV196(1708年)
+その他抜粋8トラック(ボーナス)
鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン/来栖由美子(s)/太刀川昭(ct)/片野耕喜(t)/ペーター・コーイ(b)
BIS-CD-751 CAT $1.99 1995年録音
Bach 没後何年!とか、誰それ生誕何年記念!とか、あるじゃないですか。最近ではMozart のがちょうど好景気と結びついたせいか派手でしたね。演奏会も、録音も。今年のBach ・YEARも、不況のワリにいろいろやっていて、ワタシ、こういうのは悪くないと思っています。なにごともきっかけ、チャンスが大切。わが日本代表BCJがカンタータ全集を、しかも欧州のレーベルで録音するのも感慨深い。
「話題のものは後回し」という主義のワタシも、こうして激安で登場してくれると、ちゃんと味見してみます。(カタログの付録らしい)ここ最近カンタータは、シュライヤーの8枚組(CCC 0001512CCC 2,190円)、LEUSINK/オランダ・バッハ・コレギウム(BRILLIANT 計10枚分をいまのことろ購入。@350くらいか。なんと2000年録音)を購入して、完全にハマった状態。どれを聴いても、いつ聴いても心が洗われるような、そんな音楽。
BCJはもちろん古楽器使用ですが、ワタシは現代楽器であれ、なんであれ関係なし。それぞれの個性であって、いずれ充分楽しませていただきます。そう、「楽しむ」〜愉悦感というか、弾むようなリズムとか、がポイント。この団体、日本の誇るべき優秀な古楽器演奏家の集大成、というか結晶でして、技術的にもう完璧。「欧州の某団体」とレッテルを貼り替えても、誰も疑わない。録音もいい。
BWV150のアリア(ドイツ語読めず。13トラック目)で、オルガンとチェロが、速く、細かい音型で合唱のバックを務めるのですが、ほんとうに上手い。BWV196のシンフォニアにおける、やすらいだ弦の絡み合いも絶品。ボーナス・トラックにおけるトランペットなんかも文句なし。声楽陣も日本人中心とは想像できない透明感。存在感。本場での評価の高さも納得。
でも・・・ワタシは好きな演奏じゃありません。数々の美しい瞬間に感心しながらも、音楽に没入できません。Bach のカンタータを聴くのに、このCDを率先して取り出そうとは思わない。「2000年ワタシのBach 声楽回帰」を促した、シュライヤーやコルボ。それこそもうCDをプレーヤーに乗せて音楽が鳴り出したとたん、スピーカーの前に釘付けになりました。それらの演奏と、どこが違うんでしょうか。
たんなるワタシの誤解、先入観、聴き方の浅さ、でしょうか。「楽しむ」〜愉悦感というか、弾むようなリズム〜さっき、書いたような〜が足りない。「自発性」と置き換えると、いっそうわからなくなるでしょうか。どうも、真面目すぎて(あたりまえか)窮屈さを感じさせて、ほんの少々違和感有。
コルボで感じた「自然体」「日常」などとは、もっと違う。これはもう「空気」の違いとしか言いようがない。それと、この3曲のカンタータでは声楽陣の洗練さにやや難がある。(ボーナス・トラックでは文句なし)
生演奏も聴いたことはないし、我が同胞の快挙に水を差すつもりもないが、ごめんなさい。身内だと評価も厳しくなりがち。(イギリス人を見習わなくては) (2000年9月1日更新)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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