Stravinsly 「プルチネルラ」/Ravel 「マ・メール・ロワ」/
Bartok「ルーマニア民族舞踊」
(ジョン・ラバック/セント・ジョンズ・スミス・スクエア管弦楽団)


Pye/ Nixa - PCNHX3 Stravinsly

バレエ組曲「プルチネルラ」(1924年版)

Ravel

組曲「マ・メール・ロワ」

Bartok

ルーマニア民族舞踊

ジョン・ラバック/セント・ジョンズ・スミス・スクエア管弦楽団

Pye/ Nixa PCNHX3 1976年発売のLP

 英国の指揮者John Lubbockはネットで調べても生年など情報が探せません。いくつかCDが出ていたことを記憶しております。これはLP音源がネットに流出したものでしょう。音質良好、CDにはなっていないはず。Stravinskyは他「アポロ」のCDが手元にありました。(ASV原盤)

 「プルチネルラ」は歌が入らない組曲版。Sinfonia/Serenata/Scherzino/Tarantella/Toccata/Gavotta con due variazioni/Vivo/Minuettoからなる23分、Domenico Gallo(1730-1768)、Giovanni Battista Pergolesi(1710- 1736)の旋律を流用した擬バロック作品はアルカイック、ユーモラスな雰囲気に溢れて、新古典主義というのかな?近現代作品にありがちの晦渋さ皆無、編成も小さい室内オーケストラサイズ。演奏はすこぶるヴィヴィッドな躍動に充ちて、管楽器群も抜群に上手いもの。Toccataのトランペット・ソロ、Vivoに於けるトロンボーンとコントラバスの掛け合いもノリノリ(もっと羽目をはずしてくれよ!)ラストMinuettoもけっして慌てず、端正なスタイルを崩しません。

 「マ・メール・ロワ」は(Wikiによると)「ピアノ連弾」→(そのまま)「管弦楽版」(組曲)→「バレエ音楽」といった順にできたのですね。たっぷりバレエ音楽全部聴きたいけど、ここは17分ほどの組曲版。これも端正ていねいな仕上げにデリケートな雰囲気たっぷり。幻想的に甘美な「眠れる森の美女のパヴァーヌ」(Pavane de la belle au bois dormant)、不安に揺れる「一寸法師」(Petit Poucet)、ユーモラス繊細に躍動する(オリエンタルな細かい旋律が美しい)「パゴダの女王レドロネット」(Laideronnette, imperatrice des pagodes)、「美女と野獣の対話」(Les entretiens de la belle et de la bete)はオーボエが美女、グロテスクなファゴットが野獣ですか?これは妖しい雰囲気たっぷりなSatie風ワルツかと。

 ラスト「妖精の園」(Le jardin feerique)題名そのまま、夢見るようなメルヘンな静謐から華やかな大団円を迎えました。編成は小さいけど、打楽器がたくさん入って賑々しいサウンドであります。

 「ルーマニア民族舞踊」は原曲はピアノ、クラリネットが入った演奏も聴いたことがあるけれど、ここでは弦楽合奏のみ。(人気番組「ビフォー・アフター」の音楽でもあるラスト「速い踊り」)原曲の(アクのあるクサい)リズム感を堪能するにはピアノが一番、そう思ってきたけど、ラバックはけっこう各舞曲の正確を律儀に描き分けて見事であります。6分弱。(自主CD余白にはStravinsky「アゴン」〜ハンス・ロスバウト/南西ドイツ放送交響楽団1957年・・・怜悧で最高!)

(2017年4月22日)

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written by wabisuke hayashi