Stravinsky 3大バレエ音楽(演奏者不明)


Stravinsky

バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)
三楽章の交響曲
バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
バレエ音楽「春の祭典」

演奏者クレジットなし

PILZ(ナガオカ・トレーディング) 9321  CD160 243/160325-2 2枚組1,000円で購入

 2003年も押し迫った年末に再聴。「火の鳥」組曲が、奥行きも厚みも雰囲気もあって楽しめました。数年前の自分は枝葉末節なことをグダグダと書いているが、いえいえ立派なもんです。余裕です。優秀録音。ラスト金管の咆哮はたいへんな盛り上がり。そうなるとコレ、いったい誰の演奏なんでしょ?とても気になる。PILZは幽霊演奏家表示するから、困っちゃうが再度ここに宣伝して情報を募集させて下さい。(ネットで検索掛けてもなにも出ません・・・というか、この文書が出て来ちゃう)

 中身は PILZ VIENNA MASTER SERIES なんです。CD160 243(ペトルーシュカ/三楽章の交響曲)、160325-2(火の鳥、春の祭典)が番号です。やはりネット検索でもヒットしない。二枚組だけれど、番号もレーベル面も少々違うから、オリジナルのジャケットが存在したはずなんですけど。きっと例の銀色というか、灰色のシリーズで。メールはこちらへ迄情報乞う!

 で、肝心の演奏ですが「春の祭典」は、やや安全運転的でドキドキ感に欠けるが、アンサンブル的にはけっして悪くはないですね。「ペトルーシュカ」は(「春の祭典」と同じ演奏者でしょう〜なんて下に書いてあるが)音の溌剌感というか、テンションが上で違う演奏だと思います。録音は相当に鮮明。打楽器の鮮度、位置関係はハッとするくらい。金管の切れも上々。但し、「火の鳥」の厚い響きとは明らかに異なります。

 ま、オーソドックスで多彩なるワザ有!風演奏ではない。でも、ノリノリで、楽しいと思います。オケの技量なかなか。嗚呼、ワタシってコロコロと評価が変わっていい加減!

 三楽章の交響曲って暴力的!だけれど、知的にまとめていただきたい作品でもある。驚くような魅力!とはいかないが好演。混沌の渦のような響きの濁りはないし、やる気なしヘロ演奏でもない。ピアノのリリカルな味わいが素敵な作品であり、演奏でした。これも優秀録音。(2003年12月27日)

 その後、東京のHMさんから情報をいただきました。

ホーレンシュタインのDiscography(↓)によると、PILZの「火の鳥」はVOX音源の1957年(南西ドイツ響)、他方「春の祭典」はHanspeter Gmur指揮、Philharmonica Slavonicaとあります。下の方の「Stravinsky」の項目にあります。

http://www.musicweb.uk.net/classrev/2001/Dec01/Horenstein_Discography.htm

(2004年1月24日)

↓以下は以前の文書そのまま。(かなりいい加減)

 


 1993年頃(現在は存在しない大月楽器店にて)購入。後に500円でも見かけました。2,000円で購入したとばかり思っていたが、あらためて確認すると「税抜き価格971円」と明示されていました。ま、こんなもんでしょう。「演奏者クレジットなしのCD」として、このHP初期(1998年)に掲載していたが、ワタシ自信の感じ方も変わってきたので再聴。

 おそらく、3楽章の交響曲の指揮はパンテルリ(実在性はかなり怪しい)、他がグミュール(NAXOSで何枚かCD有。実在)、オケはフィルハーモニカ・スラヴォニカ→録音用幽霊オケ、乃至変名。これ、PILZのほかのCDから類推したものだけれど、実際の演奏家は誰なのでしょう。かなり優秀なアンサンブル。

 素晴らしい選曲〜「火の鳥」は1919年版組曲ながら、3大バレエに豪華・交響曲まで付いてこの価格!それにこのCD、PILZにしては録音がかなりGood! 1960年代〜70年代の「焼き直し」(偽造とも言う。DDD表示はまったくのウソ・・・の場合も有)ではなくて、1980年代以降のデジタル録音かも知れません。4曲、それぞれ音の感じは少し違うが、やや遠くから自然に鳴っているようなまずまず爽やかな録音。


 順不同ながら、まず「春の祭典」から。記憶では頼りなさげな演奏だったはずなのに、技術的な破綻はないし、ま、超優秀なオケの怒濤の厚みと迫力、というわけにはいかないが、整ったアンサンブルが充分な水準。信じられないと思うが、ちゃんとした演奏なんです。音質も良いから、買って損はない。パーカッションの位置関係、残響の自然さも特筆してもよろしいでしょう。

 しかし、これがじつにツマらない。まちがいなく「春の祭典」なんだけど、あの人類の根元的な、土俗的な、原始の舞踏、興奮、といった印象がなくて、「とにかくちゃんと演奏しました」といった風情。例えば、技術的・音質的にモントゥー/パリ音楽院の録音はかなりおちるが、熱狂はちゃんと存在します。魅力的なんです。不思議。この違いが演奏芸術の醍醐味か。


 「ペトルーシュカ」は、「春の祭典」と同じ演奏者でしょう。音の感じ、演奏の雰囲気もよく似ている。曲想のせいか、こちらはでは「カルさ」はそう気になりません。爽やかで、明快な演奏です。オケもよく鳴っていて、技術的な不満はほとんどありません。音だってよろしい。打楽器の定位が明快なこと。

 これ、クレジットはないが1947年版だと思います。「春の祭典」のような「原始の暴力」みたいな曲じゃないから、少々響きの厚み足りなくても不満は少ない。ま、表現方法は様々でよろしいが、思いっきり精密にストラヴィンスキーの仕掛けを表現してくれたり、遊園地の雑踏や、安物のジンタが聞こえてくるような、濃密な味わいや楽しさ、不気味さ、は欲しいもの。

 破綻はないが、ややクールというか、入れ込みが足りなく、全体として大人しい印象がつきまといます。これがオケの技量というものなのか、それとも表現上の凡庸さなのかは、なんともいえません。


 「3楽章の交響曲」も名曲。「ペトルーシュカ」と、ピアノが活躍する曲を並べる意図でしょうか。1942〜45年という戦時中の作品であるためか、抽象的な「時代の不安」を感じさせるもの。3大バレエに比べると、量を聴いていないせいか不満はそうありませんでした。

 アンダンテの上品な美しさは充分で、全体に強引さではなく、リリカルな味わいに好感が持てます。ワタシ個人の好みとしては、アメリカ辺りの重量級のオケで、非情無情にバルトーク方面風に表現して欲しいところ。やや大人しいが、選曲も含めてこれは買って損はありません。


 「火の鳥」は1919年組曲版、短いのが残念だけれど全曲版とは違う曲と思えば充分楽しめる、魅力溢れる旋律。低弦による序奏に続くホルンが、大人しくて少々先行き不安だったが、「火の鳥のヴァリエーション」における木管の華やかなこと。「王女達のロンド」の雰囲気タップリの上品さ。(嗚呼、メルヘン。本当に名曲だなぁ)

 「魔王カスチェイの凶悪な踊り」は、切れ味充分だけれどやや軽量級か。(この辺り優秀録音。打楽器群は明快。但し、低音が弱いのか)「子守歌」の美しさにケチは付けたくないが、もう少し泣きがほしいところ。終曲は細部まで明快で、今まで気付かなかった金管のパートを発見しました。


 少々大人しめだけれど、怪しげ音源にありがちなヒステリックで薄い響きでもなく、完成度は高いもの。個性的名演横溢の名曲集だから、その存在感を示すのはたいへんだけれど、この価格なら充分価値ある演奏と録音でした。(2001年6月29日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi