Sibelius ヴァイオリン協奏曲ニ短調
(エイドリアン・ジャストゥス/バティス/フィルハーモニア管弦楽団)



Sibelius

ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47
ロマンティックなワルツ 作品62B
ペレアスとメリサンド 作品46

エイドリアン・ジャストゥス(v)
バティス/フィルハーモニア管弦楽団

IMP CARTON CKASSICS 30367 00122  録音年不明(DDD表示)  $1.99

 ヴァイオリン協奏曲は、Bach を別格としたらコレですね。メキシコの巨匠・バティスのSibelius というのも興味深い。エイドリアン・ジャストゥスは1970年メキシコ生まれの若手らしい。1992年ヘンリク・シェリング・コンクール優勝って書いてあるから、このCDはそれ以降の録音ということでしょう。

 この曲の理想型というのはなかなか出会えなくて、(ま、かなりSibelius 方面じゃないけど)ハイフェッツ(新録音のほう)かな、お気に入りは。まぁ、たいていどんな演奏でも楽しめます。ここでは、バティスのアツい指揮ぶりが素晴らしい。やや「亜熱帯地方のSibelius 」っぽいが、フィルハーモニア管は洗練されているし、七味唐辛子をピリリと効かせたような味わいがおもしろい。

 いつになく燃えているんですよ、このオケ。主役たるジャストゥスの調子は如何か?誠実で一生懸命、テクニックにそう不足はないが、魔術のような演奏とは縁遠い。のびのびとした爽やかさはあるが、音色が少々美しくない〜おそらく楽器の問題だと思うんです。時にやや響きが薄く、旋律の末尾で濁りが感じられることもある。

 終楽章がちょっと苦しいかな?でも、手慣れた「なんでも弾けまっせ」的表現とは違うでしょ。旋律を追うだけで背一杯・あっぷあっぷ的演奏でもないし、聴いていてそう欲求不満が高まることもないんです。応援したくなる鮮度有。その後の録音のウワサは聞かないが(このCDもレーベル自体がなくなったから当然廃盤)、その後の成長を期待したいものです。

 「ロマンティックなワルツ」〜これは初耳でした。わずか3:46の短い作品だけれど、まさに珠玉。懐かしく、暖かさがこみ上げます。バティスの表現はさらりと品があって、リズム感も上々でしょう。「ペレアスとメリサンド」は、バルビローリのLP以来かな?こうしてみるとワタシ、Sibelius の作品は系統立てて揃えていないね。意外と「Sibelius 管弦楽全集」みたいなCDは存在しない。

 フィルハーモニア管は洗練されて美しい。そして、バティスの指揮になると「ホット」になる〜けっして、乱暴になったり、違和感があったり、というんじゃないけれど。なんか、前向きで、ちょっと表情も明るくて、頬に赤みがさしているような、そんな音楽になっちゃいます。

 この作品(も)静かでしょ?嗚呼、なんて美しい音楽。8つの場面各々ため息のような、はかない旋律でした。バティスの表現はかなり繊細ですよ。メキシコのSibelius 〜そんな想像を裏切ります。でも、やっぱりどことなく暖かい。(2003年8月29日)


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written by wabisuke hayashi