Sibelius 交響曲第7番ハ長調/恋人/Prokofiev 弦楽のためのアンダンテ 作品50bis/
Glazunov バレエの情景 イ長調 作品52(ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/放送大交響楽団)
Sibelius
交響曲第7番ハ長調 作品105
恋人 作品14
Prokofiev
弦楽のためのアンダンテ 作品50bis
Glazunov
組曲「バレエの情景」 イ長調 作品52
ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/放送大交響楽団(との表記。他では国立交響楽団との説もある/1962年録音)
YedangClassics YCC-0059 10枚組3,500円?ほどで入手
購入7年ほど経て、未聴CDは棚中に存在します。これはSibelius の交響曲第7番ハ長調が後年の1974年録音と同じものだとカンチガイして放置しておりました。クレジットを信ずれば別録音であり、事実かなりテイストの違う演奏に仕上がっております。もちろん、ほかの収録は初耳。このCDは金色だけれど、ゴールド仕様なのか?たんなる着色なのかは不明。音質はかなり鮮明なステレオです。オン・マイクで繊細さをやや欠くけれど。ロジェストヴェンスキー31歳若き日の録音。
交響曲第7番ハ長調はつかみ所のない、曖昧混沌とした幻想曲、といったイメージがあるけれど、ロジェストヴェンスキーはそれをゆるさない表現にて作品に臨んでおります。粋も絶え絶えの怜悧な旋律にきっちりニュアンスを刻印し、リズムをメリハリ明確に刻むんです。オーケストラはもとより露西亜風骨太な音色であって、弦は荒涼として繊細さを欠くけれど、厳しいシベリアの冬みたいな雰囲気は悪くない。金管の壮絶なるヴィヴラート突出は予想(想像)通りで、これは覚悟して聴けばむしろ楽しみとすべきでしょう。ティンパニの遠慮会釈ない爆発には少々閉口気味だけれど。
ま、あまりに厳しい気候風土だから、キツいウォッカと脂身たっぷりの肉をいただきましょう、的な印象はあります。しかし、明晰骨太な表現は意外な存在感を示して、けっこう”聴ける”、起承転結のはっきりした演奏に仕上がっております。再録音も久々聴きたくなりました。
「恋人」は弦楽合奏による12分ほどの作品だけれど、同じ演奏会からの収録らしい。ざらりとした感触のオーケストラは、表情豊かに、これもたっぷり濃い味付けが雄弁で呼吸が深い、妙に耳新しい手応えを感じたものです。
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残りのProkofievは初耳作品なんじゃないか。アンダンテ 作品50bisは、弦楽四重奏曲 第1番 ロ短調 作品50第2楽章を弦楽5部に編曲したものだそうです。8分ほどの作品。例の如し、乾いてシニカルなモダニズム的旋律であって、ロジェストヴェンスキーだったらこちらのほうがずっと違和感がない。かなり劇的な語り口でゴリゴリと演奏して下さって、優しい部分との対比もわかりやすい。
Glazunov「バレエの情景」は、演奏会用の組曲だそうで、滅多矢鱈と楽しく、華やか、ウキウキ親しげな旋律ばかり。序曲/マリオネット/マズルカ/スケルツォ/パ・ダクシオン/東洋舞曲/円舞曲/ポロネーズからなる22分ほどの作品です。「くるみ割り人形」(+「コッペリア」)辺りを連想すると、やや似たテイストだと思いますよ。演奏機会も録音も少なくて、ロジェストヴェンスキーが1972年に録音したものくらいしか探せませんでした。エエもん聴かせていただきました。ヴィヴィッドなアンサンブルは水を得た魚のよう。 (2010年11月26日)
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