Sibelius 交響曲第5番 変ホ長調(ユッカ=ペッカ・サラステ/フィンランド放送管弦楽団)/
ヴァイオリン協奏曲ニ短調(ミリアム・フリード(p)/オッコ・カム/ヘルシンキ・フィル)他


Finlandia Sibelius

アンダンテ・フェスティヴォ (弦楽オーケストラ版)

ゲザ・シルヴァイ(Geza Szilvay)/ヘルシンキ・ストリング

交響曲第5番 変ホ長調

ユッカ=ペッカ・サラステ/フィンランド放送管弦楽団(1993年ライヴ)

ヴァイオリン協奏曲ニ短調

ミリアム・フリード(p)/オッコ・カム/ヘルシンキ・フィル(1993年)

トゥオネラの白鳥

アヌ・タリ(Anu Tali)/ノルディック交響楽団

Finlandia 0927 46665-2

 Jean Sibelius(1865ー1957芬蘭土)は比較的地味なマニアックな作曲家と思うけれど、日本ではけっこう演奏機会も多くて人気でしょう。自分も大好き。Jukka-Pekka Saraste(1956ー芬蘭土)は2019年迄ケルンWDR交響楽団の首席、これは二種ある交響曲全集、後の方のライヴより第5番、著名なヴァイオリン協奏曲他色々寄せ集めた一枚となります。

 Andante Festivoはわずか4:31の短い弦楽作品(ここではティンパニなし?・・・と思う)コラール風のシンプル晴れやかな旋律は記念祝賀会向けの作品だったとか。ゲザ・シルヴァイと云う名前は初耳、朗々と自信を感じさせる歌に感慨深い演奏、こんなマニアな音源を揃えるのもFinlandiaレーベルの矜持なのでしょう。

 交響曲第5番 変ホ長調は二管編成。前作の交響曲第4番イ短調の重苦しく暗い作風とは趣変わって、デリケートな明るさ、微笑み、日差しを感じさせるもの。第1楽章 「Tempo molto moderato - Allegro moderato (ma poco a poco stretto) - Vivace molto - Presto - Piu Presto」は爽やかな夜明けの風景から始まって、薄明かりが徐々に広がるような木管が清涼な開始。やがて弦や金管を伴って盛り上がりを見せても、雪景色のような風情は変わりません。オケはデリケートに線が細いサウンド。Sibeliusは亜米利加辺りパワフルなオケでもけっこう愉しめるけれど、この怜悧かつ不安な雰囲気は母国のオケならでは。途中のスケルツォ主題はやや難解と感じます。やがて勇壮に疾走して終了。(13:12)

 第2楽章 「Andante mosso, quasi allegretto - Poco a poco stretto - Tranquillo - Poco a poco stretto - Ritenuto al tempo I」は牧歌的静謐な主題が6回変奏される緩徐楽章。弦のピチカートと木管が呼び交わして、淡白安寧な味わいはSibeliusの個性的魅力満載。途中のやや盛り上がりもクールかつ名残惜しい風情、こんなサウンドも作品に相応しいでしょう。(8:48)

 第3楽章「Allegro molto - Misterioso - Un pochettino largamente - Largamente assai - Un pochettino stretto」不安に揺れるような前楽章を一掃するような晴れ晴れとしたフィナーレ。細かい音形はやや掴みどころなく、それはやがて暖かい光が差し込むように、決然とした形にホルンが決着を付けます。ティンパニの楔もカッコよく、ラストのテンポの落とし方、朗々とした盛上がりも決まって、サラステの統率は雄弁。クールサウンドは作品に相応しいデリケートなもの。(9:30)

 ヴァイオリン協奏曲ニ短調は浪漫溢れる名曲。Miriam Fried(1946ー羅馬尼亜→以色列)の録音は少ないと思います。第1楽章「Allegro moderato - Allegro molto - Moderato assai - Allegro moderato - Allegro molto vivace」「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」とは作曲者の言葉とのこと(Wikiより)変幻自在な旋律を誇るソロはしっとりと柔らかく、細かい音形にも慌てず音は濁らない、濃密なカンデツァは雄弁に非ず。古今東西名手達の録音を思い出せば、少々地味、クールに少々線が細いように思えます。Okko Kamu(1946ー芬蘭土)のオケはニュアンス豊かに、あくまでソロを引き立てて質実でしょう。カデンツァあとの憂鬱なファゴットは聴きどころ。(16:51)第2楽章「Adagio di molto」冒頭の木管アンサンブルはSibeliusの個性やなぁ、と感慨に耽りつつ、静かにソロが参入します。これは瞑想する名旋律は清潔に歌って少々ジミ、低音の豊かさはもう少々欲しいところ。劇的な中間部のオケはみごとなものですよ。(9:29)第3楽章「Allegro ma non troppo」は低音のリズムが支配して躍動するフィナーレ。激しくアツいソロが大活躍場面連続、やや線が細くて力感に不足しました。(7:39)

 ラスト「トゥオネラの白鳥」は最初の「アンダンテ・フェスティヴォ 」と併せて配慮ある配置でしょう。アヌ・タリという名前も初耳、三途の川に浮かぶ白鳥はイングリッシュホルンに表現され、チェロの暗鬱な合いの手がいや増す神秘感。これも名曲。遠いティンパニも怪しい距離感がありました。これは音質極上。(9:01)

(2021年1月9日)

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written by wabisuke hayashi