Sibelius 組曲「白鳥姫」作品54/交響曲第4番イ短調/
組曲「ペレアスとメリサンド」/交響詩「タピオラ」/交響曲第7番ハ長調
(トーマス・ビーチャム/ロイヤル・フィル)
Sibelius
組曲「白鳥姫」作品54
交響曲第4番イ短調
組曲「ペレアスとメリサンド」
交響詩「タピオラ」
(以上1955年ライヴ)
交響曲第7番ハ長調(1954年ライヴ)
トーマス・ビーチャム/ロイヤル・フィル
BBCL4041
露西亜の怪しげなサイトより入手したThomas Beecham(1879-1961英国)の.mp3音源、その情報が怪しくて1935年表示?とは大ウソ、色々と調べてBBCのライヴと類推しました(拍手有)。音質はまずまず。一部カスタマーボイスによると交響曲の演奏スタイルがあまりに古い昔風とのコメント有。そうかなぁ、けっこう楽しく聴きましたよ。
組曲「白鳥姫」は劇付随音楽を組曲にしたものだそう。各々間に会場のざわめきが入ります。「くじゃく」(カスタネットが活躍/4:06)「ハープ」(題名通りハープが印象的な活躍/4:31)「薔薇を持った乙女たち」(悲しきワルツに雰囲気が似ている/2:30)「聞け、こまどりが歌っている」(これはほっとするような小鳥のさえずり/4:36)「王子は一人」(ここでは演奏されない)「白鳥姫と王子」(優しい愛の囁き風/3:17)「賞讃の歌」(朗々たる詠嘆のフィナーレ/2:24/拍手有)ずいぶんと省的にデリケート、静かな音楽が続きました。
交響曲第4番イ短調は第1楽章「Tempo molto moderato, quasi adagio - Adagio」はチェロの主題提示から暗鬱な苦しみ、鬱蒼としたモノローグに蠢くような始まりでした。暗い情熱の高まりは立派な演奏と思うけどなぁ、これが古い表現なんでしょうか。ここにも楽章間のざわめき収録有(8:56)第2楽章「Allegro molto vivace」は軽快なスケルツォだけど、どことなく寂しげであり、ラストにはなかなか劇的な力強い対比がありました(4:21)第3楽章「Il tempo largo」は暗い緩徐楽章。ここは思索的風情に弦もホルンにも深みを感じさせました。金管も爆発する迫力、ここは相当に難解な楽章と感じます。(8:51)第4楽章「Allegro」終楽章はグロッケン(チューブラーベル)が印象的、ここではグロッケンシュピール(鉄琴)が使われているようです。ライヴゆえか緊張感漂わせたチェロのソロがあまり聴こえぬのが残念。かなり劇的な動きのある金管が躍動するフィナーレは明るく終わるのかな、そう思わせて寂しく消えていきました。(9:01拍手有)
「ペレアス」も劇付随音楽からの組曲。「城門にて」(物語の始めを思わせる朗々たる構え/3:06)「メリザンド」(寂しげにイングリッシュ・ホルンが歌い始める哀しみと懐かしさ/4:41)「海辺にて」(演奏されず)「庭園の噴水」(ノンビリとしたワルツから優雅な盛り上がり/2:10)「3人の目の不自由な姉妹」(ここも寂しげなイングリッシュ・ホルンから始まる木管の絡み合い/2:42)「パストラーレ」(ホッとするように牧歌的/2:05)「糸を紡ぐメリザンド」(暗い表情に回る糸車を見つめている感じ/2:13)「間奏曲」(軽快に陰影ある闊達な息抜き/3:24)「メリザンドの死」(万感胸に迫る哀しみが粛々/6:11拍手有)
交響詩「タピオラ」は初めて聴いた時に、そのつかみどころがないように何回、絶望的な風情に戸惑った記憶もありました。聴き慣れた現在なら猛吹雪の中を疾走する冷たい風情をたっぷり堪能できる名曲と感じます。(17:25)交響曲第7番ハ長調はシンプルな上昇音階から始まる幻想的な単一楽章作品。第6番も第7番も星空に天翔る「銀河鉄道」を連想させる名曲です。(20:01) (2024年10月26日)
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