Sibelius 交響曲第1/3番(サカリ/アイスランド交響楽団)


NAXOS   8.554102  1996/7年録音 Sibelius

交響曲第1番ホ短調 作品39
交響曲第3番ハ長調 作品52

ペトリ・サカリ/アイスランド交響楽団

NAXOS 8.554102  1996/7年録音 450円(中古)で購入。

 Sibelius は大好きで、サカリの新録音はずいぶんと話題になっておりました。でも手許にあるサラステ、ザンデルリンクの印象も整理し切れていないし、ベルグルンド/ヘルシンキ・フィルの評価も(自分のココロの中で)揺れ動くワタシ。NAXOSでは(やや、いえかなり鄙びた感じの)リーパー盤を擁護してきたし、今更サカリなんて・・・

 〜と、そんなある日、第6/7番を中古@380で発見。想像以上にアツく、しっかりとした演奏でした。世評高いのも納得。すると一ヶ月後には第2番、そしてこの第1/3番を相次いで中古屋で発見、こりゃ買わざるを得んでしょ。人生出会いです。いや、いろいろお勉強になりました。Sibelius って難しいね。

 カラヤンが1970年代にEMIに録音してたでしょ?(1960年代のDG録音に非ず)これは厚みのある立派なオケの響き、雄大なる旋律の歌い回しがすべて逆効果になっていて、なんかとても失礼なる演奏に聞こえました。アイスランド響は1980年代に一度だけFMで聴いていて(ペトルーシュカ。指揮者失念)ずいぶんとヘロ演奏だった記憶はあるが、ここでは想像以上にしっかりとしたアンサンブルで驚き。正直、リーパー/スロヴァキア・フィルより上と思います。

 このオケがベルリン・フィルより上手いわきゃない。例えばため息が出るほどのセクシーな木管ではないし、底光りのするような弦の輝き、中低音のズッシリとした厚み、ある時は森の奥から鳴り渡るホルン〜そういうんじゃない。・・・が、ずいぶん、スタイリッシュで颯爽として、引き締まって、瑞々しい。技術的な不満はまったく感じない。ちょっと「泣き」頻出の弦も味があるし、とにかく「薄い、鳴らない」オケじゃありません。

 まず、リズム感が良いこと。Sibelius は重過ぎちゃいけないし、ましてや粘っちゃ台無しだと思います。(例;1970年代のカラヤン)爽やかさと、若々しさ、もちろんお国ものとしての共感は存分にアツい。でもね、バルビローリのような語り口の上手さはないし、けっこう民族的な旋律〜第1番はTchaikovskyのテイストがある〜は、意外とサラリとそっけない表現でもあります。テンポはあくまで中庸。

 しかし、この魅力は揺るがない。そこが不満にならないんです。表現がクサくない。(クサいのも悪くないが)もっと現代的で、流れがとてもよろしくて、ノリノリで快い。ファッション・センス抜群、育ちもスタイルもよろしい、お化粧上手なお嬢様みたいなものか。細部に拘った神経質さは感じさせないが、ツメが甘いワケじゃない。思い切りはよいが、若さの爆発が表層に流れない。(第三楽章スケルツォのティンパニ、そしてアッチェランド)とても自然で、しかも勢いが止まらない。

 久々、気持ちの良いSibelius を聴かせていただいた、といった感想でしょうか。

 「難解」と評される第3番は、とても平明に、わかりやすく表現されていました。(第6番を聴いたときにも同じ思いが・・・)第2楽章におけるシンプルな旋律の繰り返しが、寂寥感を伴ってこの曲の真価を表現します。

 ああ、この曲ってハ長調だったのか。ほんまか?Sibelius 特有の涼しげなサウンドは、こんな調性でも、ちゃんとできあがるものなんですね。終楽章の高揚は初体験か。サカリのおかげで、この作品の魅力を新しく、発見したような気持ちになりました。(2003年8月29日)


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written by wabisuke hayashi