Schubert 交響曲第9番ハ長調 D944
(エイドリアン・ボウルト/ロンドン・フィル)


この写真は一枚もの Schubert

交響曲第9番ハ長調 D944(ロンドン・フィル1972年)

Beethoven

劇付随音楽「アテネの廃墟」 作品113より
「序曲」「トルコ行進曲」(フィルハーモニア管弦楽団1957年)

J.StraussT

ラデツキー行進曲

Suppe

喜歌劇「詩人と農夫」序曲(以上ロンドン・フィル1967年)

エイドリアン・ボウルト Adrian Boult(1889ー1983英国)

EMI 50999 6 35667 2 0-CD4

 Schubertの作品は平易な歌に溢れて長大、この作品もシンプルな風情が延々と大きなスケールを感じさせる名曲中の名曲。中学生時代、フルトヴェングラー1951年録音、第1楽章主部へ突入!燃えるようなテンポアップに打ちのめされた記憶も鮮明です。やがて幾星霜、引退世代に至った音楽ファン(=ワシ)は謙虚さを失ってSchubertの拝聴機会は少なくなりました。交響曲全曲にちゃんと向き合ったことがあったっけ?ここ最近、それなりの音質さえ整えば、誰の演奏でも良いじゃないの、名曲は名曲なんだし、そんな枯れた気分にもなりつつあります。

 往年英国の名巨匠に残された音源はたいていお気に入り、ハズレなし。ロンドン・フィルはベルナルト・ハイティンク時代(首席在任1967-1979年)作品が作品なので、オケの個性はモロに出るもの。古典的な2管編成だけど、大きさを感じさせる「ザ・グレート」ハ長調交響曲は自然な作った感のない優秀録音。第1楽章「Andante - Allegro ma non troppo」冒頭のホルンは美しいですね。序奏から主部のテンポ・アップ突入はややムリムリ唐突感有、ラストの大げさなルバートにちょっぴり”古臭い”感じはあっても、基本素直なオケの響きは筋肉質に力感溢れる躍動演奏でした。(14:14)第2楽章「Andante con moto」は淡々と飾りなく、素朴な歩みを感じさせるイン・テンポ。決然と力強いスケール感有、旋律の美しさをたっぷり堪能できます。(14:07)

 第3楽章「Scherzo. Allegro vivace」は主部の(思わぬ)繰り返し有、やたらと長いのは、ボウルトはここが作品のキモと考えたからでしょう。粗野なリズム感はノリノリ、テンション高く重量感溢れるもの。弦の旋律に対するティンパニの合いの手も的確なリズム感、木管の優しい歌、金管の炸裂も呼応して自信に溢れた歩みが続きました。(14:22)第4楽章「Finale. Allegro vivace」は心持ち速目のテンポに颯爽と進めて、悠々と勢い、迫力も充分でしょう。ラストの思わぬタメは第1楽章同様、少々昔風情な見栄を感じました。(11:29)重過ぎないサウンドは作品に似合っていると思います。

 残りフィル・アップも違和感なく愉しめます。Beethoven「アテネの廃墟」はステレオ初期のフィルハーモニア管弦楽団担当。優雅に美しい序曲、そして誰でも知っている可愛らしい「トルコ行進曲」(4:15-1:34)音質ちょっぴりヒステリックに奥行き不足。ボウルトも若かったのか、かなり力んだ演奏でした。お正月の定番「ラデツキー行進曲」は交響曲よりやや音質は落ちて、これもやたらと元気の良い”金管炸裂!”演奏でした。(2:45)ラスト「詩人と農夫」序曲はオリジナルのオペレッタは残っていなんだそう。優雅なチェロ・ソロ旋律は「線路は続くよどこまでも」激似。意外なほど本格的な作品であって、静謐にていねいに仕上げた前半より、やがて強烈な疾走が続いて音質的にはちょいとやかましいくらい。(10:15)

(2020年6月13日)

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written by wabisuke hayashi