Scho"nberg 管弦楽のための変奏曲/ 4つの混声合唱曲/3つの風刺より/ バリトンと七重奏のためのセレナード(ロバート・クラフト/1957年)
Scho"nberg
管弦楽のための変奏曲 作品31(ロバート・クラフト/管弦楽団)
4つの混声合唱曲 作品27(マルニ・ニクソン(s)/キャスリーン・ゲイヤー(a)/リチャード・ロビンソン(t)/サム・ヴァン・デューセン(b)/マックス・グラールニック(マンドリン/ヒューゴ・ライモンディ(c)/ドロシー・ウェイド(v)/エメット・サージェント(vc)/ロバート・クラフト)
3つの風刺 作品28より 第1曲「分かれ道で」(マルニ・ニクソン(s)/キャスリーン・ゲイヤー(a)/リチャード・ロビンソン(t)/サム・ヴァン・デューセン(b)/ロバート・クラフト)
バリトンと七重奏のためのセレナード 作品24(サム・ヴァン・デューセン(b)/ウィリアム・ウリアーテ(bcl)/マックス・グラールニック(マンドリン)/シオドア・ノーマン(g)/ドロシー・ウェイド(v)/セシル・フィジェレスキ(va)/エメット・サージェント(vc)ロバート・クラフト)
Columbia Masterworks ML 5244 1957年
Robert Craft(1923-2015亜米利加)はストラヴィンスキーの助手であり、同時代音楽の養護普及に尽力された立派な人。1950年代にこのScho"nbergやWebern辺りまとめて、絶対に売れそうもない録音発売したCBSも立派、後年ディジタル時代には再録音をしておりました。これはモノラルだけれど、かなり明快に解像度の高い音質でした。
「管弦楽のための変奏曲」は1928年フルトヴェングラー/ベルリン・フィルにより初演、Wikiには一大スキャンダルを巻き起こした、なんて書いてあるけれど、当時の演奏者には新し過ぎて作品への理解や解釈は追いつかず、まともな演奏は不可能だったらしい。四管編成に9種の打楽器、フレクサトーン、ハープ、チェレスタ、マンドリンという大編成。オーケストラ名は表示されないけれど、ハリウッドでの録音、当時盛んだった映画音楽を生業(なりわい)とする音楽家たちを集めたのでしょう。もちろん市井のド・シロウトには楽曲の詳細分析やら理解は不可能なドデカフォニー作品。これが大編成なのに大音響がほとんどない、各パートが順繰り浮かび上がって意外と静謐、そして知的な作品。音楽はなんでもそうだけど、繰り返し聴いて馴染むしかない。Shostakovichをちゃんと聴けるようになるのに2-30年は掛かりましたよ。この作品は怪しい無機的な響きが美しく、聴き通すのに意外と苦痛はありません。
導入部(1:16)主題(0:52)第1変奏(1:00)第2変奏(1:32)第3変奏(0:46)第4変奏(1:09)第5変奏(1:48)第6変奏(1:16)第7変奏(2:07)第8変奏(0:35)第9変奏(1:00)終曲(三部に分かれているそう/5:48)
「4つの混声合唱曲」はドデカフォニーによる最初の合唱作品とのこと(1925年)。「避けられないこと」(1:08)「 「べき」でなく「ねばならぬ」」(0:50)「月と人間」(2:36)「恋する者の願い」(3:41)。「分かれ道で」(0:56)も含め一連のScho"nbergの声楽作品はどれも心情の波みたいなものが感じられて、言語の壁を乗り越えて、その緊張感が快いもの。管弦楽作品より平易と感じます。
「セレナード」はかなり以前よりマールボロ音楽祭などの録音で聴いていた作品〜だけど、どこがセレナードやねん!的面倒臭い晦渋な作品。ギターとマンドリン、そして歌が入るからか。なかなか馴染んで拝聴するには難物な作品でした。初演は1924年。
「行進曲(Marsch)」(3:50)「メヌエット(Menuett)」(6:18)「変奏曲(Variationen)」(3:34)「ペトラルカのソネット(Sonett von Petrarca)」ここにバリトンが入る(2:40)「舞踏の情景(Tanzscene)」(6:42)「無言歌(Lied (ohne Worte)」(1:46)「フィナーレ(Finale)」(4:28)
100年経っても新しい!こどもの頃からのユルい音楽愛好家(=ワシ)に安易な緩みを許さぬ緊張感を堪能いたしました。
(2025年10月4日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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