Saint-Sae"ns 交響曲第3番/シェエラザード(サヴィーニ/ヤナーチェク・フィルハーモニー)


サヴィーニ

Saint-Sae"ns
交響曲第3番ハ長調 作品78(1972年)

Rimsky-Korsakov
交響的組曲「シェエラザード」作品35(1967年)

イノ・サヴィーニ(INO SAVINI)/ヤナーチェク・フィルハーモニー

ARKADIA  GI 771.1  300円にて購入

 録音年代的に「歴史的」というには新しい。でも、ま、音質が「歴史的」なのでこういった分類になりました。

 だいたいサヴィーニ(SAVINI〜読み方自信なし)って誰?解説によると1904年生まれのイタリアの指揮者らしくて、どうやらオペラ畑で活躍した人らしい。よくわからんけど、もう亡くなっているんでしょう。で、オケがヤナーチェク・フィル。こんな怪しげなCD誰が買うのか?と、思うくらい店頭在庫が10枚くらいあって、300円で「不良在庫処分」していました。こういうところが大阪の良いところ。

 ライヴだし、こういうのは音質が大切なんですよ。はっきり言って「優秀な戦前の歴史的録音」といったかんじ。STEREOなんていう表示になっていますが怪しいもんで、AM放送の録音じゃないでしょうか。この曲、オルガンの壮麗な響きがポイントでしょうが、じつにショボイ音で鳴ってくれて最高です。

 サン・サーンスの交響曲も、シェエラザードも録音が大切で、条件的には厳しいが、ヤナーチェク・フィルはぜひ聴きたいもの。結論的に言うと、いろいろと感じるところの多い演奏でした。300円の冒険はムダではなかった。

 サン・サーンスは、快速のテンポ、細部の磨き上げより勢い重視のアツい演奏。70近い爺さんが指揮しているとは思えないパワフルさ、細かくて速い旋律でのアンサンブルの乱れはないわけじゃないが、それを補ってあまりある推進力。情熱。叩きつけるようなド迫力。激演。この落ち着きのなさは、プレートルを連想させなくもない。

 これで、録音さえもう少しマシだったら、と残念に思います。低音が弱い、静謐な部分での細部が不鮮明。それでも終楽章の堂々たる歌心と、スケールは出色です。

 完成度で言えば「シェエラザード」のほうが上でしょう。似たような音質ながら(こちらが聴き慣れていきたせいか)ずいぶんと聴きやすく感じます。適正なテンポ感、優秀なアンサンブル、そしてじつによく歌う。こってりとした節回しじゃなくて、もっと淡々として、キリリとしていて、ある意味自然体。

 オケがねぇ、いい音なんですよ。「若い王子と王女」における弦の夢見るような響き。適度なテンポの揺れが効果的で、スケールが大きいこと。細部まで指揮者の意向が行き届いていて、けっこうな説得力。終楽章の主題を朗々と歌うトランペットの輝かしさ。良い意味でのローカルな、暖かい音色のオケで感心しました。


 結論。お勧めしません。音が期待ほど良くなかった。でも、こんな演奏、好きな人はいるはず。ヤナーチェク・フィルの録音も珍しいから存在価値あり。(2000年8月4日更新)


比較対象盤

Saint-Sae"ns 交響曲第3番ハ長調 作品78〜スワロフスキー/ウィーン国立歌劇場管弦楽団(Forlane/URANIA UCD16587)は、あまりに存在的に渋すぎるので、オーマンディ/フィラデルフィア(SONY SRCR1627)で。こういう曲は、あまり難しいことを考えさせないのがよろしい。オケが上手すぎるのも、いい。

交響的組曲「シェエラザード」作品35〜手持ちではどれもイマイチ。演奏的にはこのサヴィーニ盤はベストに近いが、録音で損をしている。このさいチェリビダッケ/シュトゥットガルト放送響(1975年 LCB-087)の海賊盤で、どうだ!ものすごく精密な演奏。500円。

  


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written by wabisuke hayashi