Prokofiev 組曲「三つのオレンジへの恋」/Haydn 交響曲第100番ト長調「軍隊」
(ニコライ・マルコ/デンマーク王立歌劇場管弦楽団)
Prokofiev
組曲「三つのオレンジへの恋」(1951年)
Haydn 交響曲第100番ト長調「軍隊」
ニコライ・マルコ
Beethoven
エグモント序曲(1951年)
Dukas
魔法使いの弟子
ピエリーノ・ガンバ
Mozart
交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
エドウィン・フィッシャー(1954年)
デンマーク王立歌劇場管弦楽団
DOCUMENTS 223542 CD8 10枚組1,770円で購入したウチの一枚
デンマーク王立歌劇場管弦楽団の歴史的音源ばかり集めた10枚組より。ニコライ・マルコ(1883-1961年)はウクライナ出身の指揮者であり、ソヴィエット体制からいち早く抜け出して西側で活躍した名指揮者・・・だけれど、ステレオ時代突入とともに亡くなっているでしょ、だから音源的には恵まれていないんです。このCDでは「デンマーク王立歌劇場管弦楽団」となっているが、デンマーク王立管弦楽団のことらしい。ここのシェフを務めたはずで、彼の名を冠した国際指揮者コンクール(デンマーク)もあるくらいだから尊敬されていたんでしょう。
Prokofievはすこぶるハードで勢いのある演奏でして、音質やや不備を乗り越えてシニカルかつヴィヴィッドな世界がたっぷり!Haydnは彼の十八番(おはこ)だったらしくて、交響曲第92番ト長調「オックスフォード」の録音(1953年)も残っております。(IMG 7243 5 75121 21)「時計」も第1楽章序奏から堂々たる構え大きく、巨匠然たるスタイルで慌てず、優雅なる足取りで楽しませて下さいました。表題の由来になっている第2楽章「アレグレット」はスケール大きく、賑々しくもメリハリ有。(トランペット・ソロ+ティンパニの突入!)メヌエットはリズム躍動して味わい深く、終楽章の一気呵成なる推進力爆発!+かつ緻密な仕上げに満足〜音質はやっぱりよろしくありませんが。
ピエリーノ・ガンバ (Pierino Gamba1937-)は英DECCAステレオ初期の伴奏担当をしていたので、ヴェテランか?と思っていたら現役らしいですね。この録音情報を信じれば、なんと14歳の若者の記録となります(ほんまか?)。これが凄い。「エグモント」の物々しい緊張感。落ち着き払った集中力とていねいな仕上げ。「魔法使いの弟子」のかっちりとした仕上げも上々。やや速めのテンポ、ノリノリの勢いに乗ってアツく華やか、アンサンブルのまとめかたもお見事です。音質はマルコより少々マシなくらいか。
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残りはピアノの名匠エドウィン・フィッシャーの(珍しい)指揮でして、1954年ローマでMozart ばかりの演奏会をしたらしい。CD9にピアノ協奏曲第24/22番(弾き振り)が収録されます。これも音質良好は言い難い。こうしてみると、デンマーク王立歌劇場管弦楽団は指揮者が変わっても”アツい”演奏をするオーケストラみたいですね。第1楽章提示部を繰り返し、テンション高く祝祭感溢れる演奏ぶりです。深みとか厚み、落ち着き渋さが足りないのは録音の印象でしょう。やや浪漫豊満系の演奏であるが、現代の耳にも違和感はありません。第2楽章「アンダンテ」も良く歌って、味わい深い。
第3楽章は少々大柄に喧しいいが、終楽章は思いっきり快速で驚くべき熱気でありました。 (2007年11月30日)
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