Rossini 弦楽のための四重奏ソナタ集全曲(ロッシーニ・アンサンブル)Rossini 弦楽のための四重奏ソナタ集(全6曲)
第1番ト長調 Danizetti 弦楽のためのアレグロ ハ長調 ロッシーニ・アンサンブル(ブダペスト)/アンドラーシュ・キシュ(リーダー) NAXOS 8.550621/622 1991年録音 @980の値札は残っているけど、きっと「5枚買ったら1枚タダ」のパターンだったはず 以下はかなり以前の更新記事だけれど、「新しい録音が出たからきっと廃盤になるはず」との予言通り、既に消えたCDであります。でも、ネットではちゃんと聴けちゃう。”ロッシーニ・アンサンブル”という安易な団体名から推察して、寄せ集めの録音用臨時団体だったのでしょう。でも、演奏はすっきり透明なアンサンブルを誇って立派なものです。音質も残響たっぷり豊かでよろしい。1990年代は、こうして作品、演奏家とも知名度にとらわれず、新しい音楽をどんどん吸収できたのは、聴き手(=ワタシ)が若かったから、柔軟な精神だったからでしょう。今は昔。 Rossiniが生まれたのはMozart 逝去の翌年であって、初期浪漫派の位置付けながら、これは古典的端正な佇まいたっぷりの名作。弦楽はヴィオラを欠いてコントラバスが加わるといった変則的四重奏であって、内声部が抜けている分、すっきり軽快、風通しの良いサウンドが生まれていると思います。12歳のこどもがこんな凄い作品を書くとは・・・まさに天才!作品の様子は10年ほど前にコメントした通り。ここ最近、前向きで激しい(しかも暗い)音楽は敬遠気味(1960年代じゃあるまいし)でして、ちょうどこんな素直で爽やか、淡彩な世界ばかり求めております。年齢(とし)かな? ハンガリーは弦の国でして、優秀なるヴァイオリニストを多数輩出して、印象としては”クール涼やかで整った”といったところ。このアンサンブルも同様でして、かつてLP時代に馴染んだネヴィル・マリナー/ジ・アカデミー(の記憶)とは違って、素直で余計な飾りを感じさせない(少々素っ気ないくらい?)怜悧さがあって、それは冷涼なる高原の空気を思わせます。どれでも優しく躍動して、楽しさいっぱいの名曲やなぁ、だれでも一発で好きになりますよ、きっと。ああ思い出した。当時LPを全部処分して、CDで馴染みの作品レパートリーを回復せん!と四苦八苦していたんだっけ。あの頃が一番熱心に音楽に対峙していたかも。 Danizetti 弦楽のためのアレグロ ハ長調というのが珍しいかな?NAXOSの初期録音には、意外と珍しい作品が収録されていたものです。わずか6:13の愉悦であって、いかにも歌謡的、平易だけれど優雅で陰影に充ち、懐かしい旋律でありました。Rossiniに続けて、まったく違和感はない。新しい音楽を謙虚に受け止める、そんな無垢な精神を取り戻さなくては。 (2009年12月4日)
最近あんまりNAXOSに熱心ではないので、記憶が曖昧なのですが、たしか新しい録音が出たからきっと廃盤になるはずのCD。
LP時代は、マリナー(全盛期だったんでしょう)で楽しんだ曲です。屈託なく、気軽に楽しめる美しい曲ばかり。ロッシーニ12歳の時の作品でしょ?天才ですね。ソナタという名前になっているけど、モーツァルトの嬉遊曲と同類の愉悦感。
第1番ト長調は、若い天女が、天上からふうわりと降りてくるような、良い香りのする音楽。
第3番ハ長調は、伸びやかで快活な音楽で始まり、アンダンテは一転して悲痛で甘い旋律となります。モデラートおける細かい、疾走するような音形の美しさ。
第5番 変ホ長調は、優雅な歌〜おどけるような快活な旋律に変化。いきいきとしたアレグレットの喜び。 どれも似たような曲ですが、傑作揃い。 ドニゼッティは6分ほどの短い曲ながら、これもモーツァルトに似た味わいのある優雅な曲です。 ブダペストのフェステティック城(読み方いいかげん)での録音。残響豊かで、柔らかくブレンドされた音が最高。 透明で爽やかで、軽やかで、心洗われるようなアンサンブル。やや線が細すぎて、もっと元気が欲しくなるかも知れませんが、廃盤するにはあまりにももったいない。 表紙の絵は、8.550621がナポリ、8.550622がボローニャ。ボローニャには行ったことがあって、いかにもそんなすてきな街並みでした。イタリアでは歴史的景観が良く保存されているんですよ。
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