Romanze(CONCERTO ROYALE 3枚組)Beethoven (1770-1827) ロマンス ヘ長調 作品50/ト長調 作品40 ラウテンバッヒャー(v)/クルト・クレーメル/カールスルーエ・バーデン州立歌劇場管弦楽団 Rosenmu"ller(1619-1684) ソナタ ニ短調 Muffat(1653-1704) コンチェルト”ヴィクトリア・マエスタ” Rosenmu"ller ”学生のための音楽”から組曲 ケール/マインツ室内管弦楽団(以上CD1)
Biber (1644-1704) 夜回りのセレナード Purcell(1659-1695) アンセム「見よ、大いなる歓喜の訪れを我汝に告ぐ」 カレン・スミス(s)/フリードリヒ・クンツ(t)/マラグッティ(b)/パーセル・シンガーズ Alessandro Scarlatti(1660-1725) カンタータ・パストラーレ「Nativita di Nostro Signore Jesu Cristo」(われらが主、イエスキリストの生誕) ストックラッサ(s) Haydn(1732-1809) カンティレーナ・プロ・アドヴァントゥ「ひとりの乙女よ、ひとりの召使い」イ長調Hob.XXIIId-1 ストックラッサ(s)以上ケール/マインツ室内管弦楽団(以上CD2)
Corette (1709-1795) Noel allemand「LOBT GOTT , IHA ALLZUGLEICH」 クラウス・ポーラー(fl)/ケール/マインツ室内管弦楽団 Haydn リュート、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための四重奏曲(調性不明)
シェッファー(lu)/ナゴラ(v)/バイヤー(va)/ブリース(vc) Dvora'k(1841-1904) 伝説曲(第1〜5番) ランドー/ヴェストファリャ交響楽団(以上CD3) CONCERTO ROYALE 206253-360 3枚組1,380円 21世紀に彗星のように現れ、即消えた激安レーベル「TIM CZ」の「CONCERTO ROYALE」シリーズ。歴史的音源やらVOX音源(ライセンスは怪しいらしい)、いろいろオモロい音源がCD化され、いくつか購入したものの、油断しているウチに店頭から消えました。残念!(一部4枚組「QUADROMANIA」で復活した音源もあるが)いまや、ネットで検索してもほとんど情報が残っておりません。(アリアCDさんの情報もほんの一部です)このマニアックな収録は(おそらく間違いなく)VOX音源ですね。(じつはこの更新時点、HMVで半額処分密かに・・・新たに5セットほど通販購入しました!) 「音楽は幅広く聴く」「演奏者の知名度勘案せず!」「価格はできるだけお安く」〜という原則に従って入手したものだけれど、録音情報はもちろん(まったく不明)、作品情報も不十分でして、ガイコク語不勉強なワタシにはワケわからん感じです。(とうとう訳が探せない作品も有。Alessandro Scarlattiは”キリストがどうたら”なんでしょうね。Coretteのもクリスマス絡みだ、きっと)Haydnのリュートを含む作品は、いくらネット検索しても探せない・・・どころか某「音楽日誌」が出てきてHaydn リュート四重奏曲〜これって Hob.3:6の「リュート、ヴァイオリン、チェロのためのカッサシオン ハ長調」のことでしょうか・・・って、楽器編成が違うじゃないの。調性標記がないし、もちろん絶対音感には一切無縁だし・・・混迷深まるばかり。別な作品の編曲版ですか?(弦楽四重奏曲第8番 ホ長調Hob.V-8の編曲でした) 音楽史関係も不勉強だから、Beeやんは”客引き”として収録理解できんでもないが、Dvora'kはなんなのか。(しかも中途半端抜粋収録)もしかして深遠なる、一連の学問分析的流れが存在するのかも。でも、こんなCD、おそらくは売れないでしょうね。ワタシは、あんまりムツかしいことを考えず(力量もないし)虚心に楽しませていただきます。(音楽史的なことは一切わからない)演奏陣はVOXで(のみ)お馴染み、ギュンター・ケール率いるマインツ室内管がメインとなります。
「ロマンス」は「エリーゼのために」と並んで”苦手Beethoven ”の希な例外であって、安寧と暖かいココロを感じさせる名曲中の名曲。ラウテンバッヒャーは知名度ともかく、膨大なる録音と高い技量を誇る名人だけれど、ややさっくり、淡々と弾いているようであり、ワタシ個人的好みとしては纏綿と甘く仕上げて欲しかった・・・いえいえ、この3枚の迷宮の入り口としては上々の始まりであります。録音もあまりよろしくない・・・のはいつものVOXの水準。 Rosenmu"ller(ローゼンミュラー)とは初耳ですな。大Bach が1685年の生まれだから、二世代ほど前ですか?ソナタ ニ短調は、おそらくオリジナルではなくて、茫洋として荘厳静謐な緩・急・緩・急4楽章10分弱の、美しい弦楽合奏作品になっておりました。演奏スタイルも現代風(あまり良質なアンサンブルではない)。Muffatは一世代先輩か。コンチェルト”ヴィクトリア・マエスタ”〜「荘厳静謐」とはワン・パターンだけれど、より陰影が深く、情感が幅広く表現されつつある・・・12分ほど。緩急緩急、というパターンだけれど、「急」の部分でのハズむような舞曲が時代の前進を感じさせます。 再びRosenmu"llerに戻って「”学生のための音楽”から組曲」〜先の「ソナタ ニ短調」はなんとなく教会音楽風イメージが感じられたが、こちらもっと世俗的な優しさを感じさせます。(何らの根拠なし)ケールの表現が少々マンネリ気味でして、一枚目ラストあたりは少々飽きてくるというか、眠くなるような・・・(時代が時代ですから)46:39は収録が少々短いが、この辺りが限界です。(聴き手の)
Biber「夜回りのセレナード」になると、もっと親密で、もうすっかり馴染みのバロックのテイストに接近してますね。(10分ほどの弦楽作品)名前だけは有名な英国の天才Purcellの声楽作品が登場すると、正直ちょっと、ほっとしました。ケール/マインツ室内管はアンサンブルのメリハリが欠けて、作品ごとの描き分けに難有状態・・・ま、言語はまったく理解できないが、男女の声には色彩がありますから。(11分ほど)これは独逸とか伊太利亜とは異なった、少々地味だけれど優しい世界を感じて、いわゆる”英国音楽”に通じるものを感じさせました。(たんなる先入観の可能性が高いが) さてイタリアにへ移って、父Scarlattiの「カンタータ・パストラーレ」(「われらが主、イエスキリストの生誕」との訳文をご教授いただきました)〜おそらくはこのセット中もっとも、安寧に充ちた美しい旋律が楽しめます。Corelliに「クリスマス・コンチェルト」ってありますよね。ほとんどそのテイストに接近していて、(珍しく)ケール/マインツ室内管のアンサンブルも入念であり、ストックラッサ(s)も清楚そのもの。(先のPurcellの声楽陣よりかなり上質)さて、大物Haydn登場して、ストックラッサの爽やかな歌が続きました。言葉の意味は理解不能だけれど、敬虔な気持ちだけは通じてまっせ。Scarlattiに負けない、平易で安らぎの旋律は魅力的。
ラスト3枚目は声楽は入りません。まずフランスのCoretteから。「ノエル・アッレマンド」ってどういう意味ですか?ノエルというくらいだからクリスマスなんだろうが、典雅なフルート・ソロにチェロが絡んだ優しい音楽でした。わずか6分ほど。さて、謎のHaydn作リュート作品は、浮き立つような楽しい作品に間違いありません。演奏はしっとり親密な5楽章22分ほどの演奏。おそらくはこのセット中、もっとも聴き応えがあって、ユーモラスでで多彩な作品であります。 なぜか収録されるDvora'k 伝説曲 作品59〜第1番ニ短調/第2番ト長調/第3番ト短調/第4番ハ長調/第5番変イ長調(全部で10曲あるウチ半分収録)。親しみやすい、まるでスラヴ舞曲中の登場するような素朴、躍動、かつ哀切の旋律がたっぷり楽しめます。(が、ほかの作品との収録違和感は相当)ランドー/ヴェストファリャ交響楽団は知名度ほどに悪い演奏でもなく、やや薄味で大人しめだけれど、それなりに美しいものでした。音質は少々オフ・マイク気味か。 (2005年10月28日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】●愉しく、とことん味わって音楽を●▲To Top Page.▲ |