Romantic OBOE CONCERTOS(1)Mozart オーボエ協奏曲ハ長調K.314 バート・シュニーマン(ob)/レフ・マルキス/新シンフォニエッタ・アムステルダム(1994年) Bach オーボエ・ダ・モーレ協奏曲イ長調BWV1055 ロブ・ヴィッセール(od)/アムステルダム・バッハ・ソロイスツ Handel オーボエ協奏曲ト短調 HWV287 ロビン・ミラー(ob)/ギブソン/スコットランド室内管弦楽団 Bach オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060 ダニエレ・クリーフト(ob)/ユディタ・ヘバーリン(v)/オランダ・バッハ・アンサンブル Salieri オーボエ、フルートと管弦楽のための協奏曲ハ長調 アンドレ・ラルドロ(ob)/アントニオ・ヤニグロ/イ・ソリスティ・ザグレブ(フルート・ソロのクレジットなし) BRILLIANT 99525/1 録音情報不明 2枚組580円で購入(一枚目) 21世紀に入るとBRILLIANTのCDは格安で入手できるようになり、たった今現在@500に接近して相場は上がり気味です。演奏者クレジット情報にやや不足気味(誤っているものも)であり、同一音源使い回しが気になる(ここでのMozart も99328にてダブり所有)が、随分とお世話になりました。最近ではよほど珍しい音源じゃないと購入しなくなって、ぼちぼち中古激安での登場を待ちましょう。このCDのように、”寄せ集め音源”がけっこうあります。CD一枚を通した統一感という意味で、最近はこういったものは聴かなくなりつつありますね。 おそらくはオランダ勢がオリジナル録音乃至買い取り音源(ARTS)、Handel がASV辺り、昔懐かしいヤニグロはVANGUARD音源か。エエ選曲です。各々音質のバラつきも、そう気になりません。
バート・シュニーマンとは経歴も知らぬが、古楽器による録音も存在しております。指揮者も演奏団体も、BRILLIANT外ではまず見掛けたことはない。軽快達者なオーボエであり、オーケストラともども洗練されたアンサンブルを誇りました。セクシーに微笑んだ明るい音色であり、表情豊かに一点の曇りもないMozart 。録音も極上です。”Romantic OBOE CONCERTOS”冒頭を飾るに相応しい、上々の出足。 Bach のオーボエ・ダ・モーレ協奏曲イ長調では、アムステルダム・バッハ・ソロイスツは(おそらく)各パート一人ずつの現代楽器であって、親密な集中力。ほとんど室内楽のテイストでしょう。ちょっとクセのあるエエ音色の楽器ですね。オーボエより音域が低くて、中低音が豊かに鳴り響きます。チェンバロ協奏曲第4番イ長調の原曲と類推されるもので、復元作品なんでしょう。両端楽章の明るい表情に対して、第2楽章「ラルゲット」の憂鬱な表情対比が印象的な名曲中の名曲。ロブ・ヴィッセール(od)の技量に何らの疑念もない、鮮やかなるソロでした。 Handel のオーボエ協奏曲ト短調は、他作品と比べて少々知名度が落ちるかと思います。ほの暗い魅惑の旋律であり、ロビン・ミラー(ob)も、アレクサンダー・ギブソンのバックも少々浪漫の味付けがあって、ヴィヴラートも豊かな表現(編成も大きめ)となります。緩急緩急の4楽章制であり、サラバンドに於ける牧歌的のびのびとした歌が魅力的。 再びBach 登場。誰でも知っている”オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調”だけれど、ソロ、バックともしっとり瑞々しいアンサンブルで落ち着いた味わい有。似たような名前の団体ばかりだけれど、これも現代楽器(オランダ・バッハ・コレギウムは古楽器でした)。緊張感はいくらでも煽れそうな両端楽章だけれど、慌てず悠々と蠱惑的なオーボエの音色、そっと寄り添って繊細なるヴァイオリンの歌、しかも清潔感を失わない。第2楽章「アダージョ」が白眉の名曲。現存する楽譜はハ短調のチェンバロ協奏曲であって、これも復元作品なんです。 じつはこのCDのウリはSalieriでして、オーボエ、フルートと管弦楽のための協奏曲ハ長調は(知る人ぞ知る)名曲なんです。これはLP時代懐かしい作品(たしかホリガー/ニコレ)であって、最終楽章の華やかなるソロの掛け合いが楽しいもの。この演奏を担当するのが(これまたLP時代が懐かしい)フランス往年の名手アンドレ・ラルドロ(ob)/アントニ・ヤニグロ/イ・ソリスティ・ザグレブとなります。(フルートのクレジットはない)これが意外と繊細な演奏であり、作品はモダーンな味わいでした。ま、時代は少々下りますからね。1960年代の音源のはずだけれど、音質的な不備を感じさせません。 |