Raff 弦楽八重奏曲ハ長調 作品176(チューリヒ室内管弦楽団)Raff 弦楽八重奏曲ハ長調 作品176 チューリヒ室内管弦楽団(FM放送よりエア・チェック〜MDへ) Joseph Jaochim Raff(1822〜1882)・・・音楽史なんて真剣に勉強したこともないけれど、Liszt(1811〜1886)とほぼ同年代で、たしかMarco Polo辺りでCDも出ていたような記憶もあります。これ、カセットでなんかの大曲をエア・チェックした余白に収録したもので、ライヴではなくてCDかLPの放送音源。(カセットの山を探してみたけれど、元テープ情報のありかが発見できない(→その後発見。イエックリン JD547-2 だそうです) 音楽に先入観は不要だけれど、ワタシにとってLiszt辺りの音楽は本当につまらなくて、敬遠気味。世間的に知名度の高い曲ばかりが名曲であるはずもなく、滅多に演奏される機会はないが、偶然に耳にした秘曲(〜これ感慨深い言葉)が圧倒的感銘を与えることもあるんです。 第1楽章。平明で、ハズむような喜ばしい旋律が躍動します。メンデルスゾーンの有名な八重奏曲に一脈通じるようでもあり、調性が同じチャイコフスキーの弦楽セレナードの雰囲気にも似ています。 第2楽章、ややほの暗く、シンコペーションするリズム感がブラームスを連想させる味わい。これ、スケルツォ楽章でしょうか。中間部のチェロによる、やすらいだ表情が美しい、わずか3分弱の世界。 第3楽章はアダージョ。抑制されているが、切ない甘さがある。このあたりはいかにも浪漫派、といった感じで、無理矢理例えるとMahler 第5交響曲の「アダージエット」を素朴にした8分間の陶酔。 終楽章は、また第1楽章の味わいが戻ってきて、明るく疾走します。存分に盛り上がって満足できる、じつに名曲。全23分。 「この雰囲気、どこかで経験したよな」と悩んでいたら、グリーグ「ホルベアの時代から」を思い出しました。あれほど細部に凝った作りでもないし、もっとオーソドックスではあるが、憧憬のイメージに一脈通じるものがあるのかも。 演奏の良し悪し云々はできないけれど、立派なものでしょう。音質はたいしたものではなく(とくに高音の劣化が甚だしい)、ちゃんとしたCDで手に入れたいものです。
このMD、もともとエルマンのヴィヴァルディ、ナルディーニの協奏曲を収録した余白を埋めたものでした。(これも味わい深い)Raffを収録しても、まだ余裕があったのでもう一曲。
Sarasate ツィゴイネルワイゼン 作品20 これもフツウのFM放送エア・チェックだけれど、こども時代に愛聴した音源でした。エリック・フリードマンは1960年代に「ハイフェッツを継ぐべき新人」としてRCAから数枚のCDを出したが、消えていったうちの一人。パガニーニなんかも出していたから、テクニックには自信を持っていたのでしょう、この演奏もなかなかの切れ味でした。 ハイフェッツに比べると、少々粘着質で、もともとクサイこの旋律を、存分に歌い回してくれて快感があります。(よもやこのHPの読者にはいないと思うが、こういったショウ・ピースをバカにしちゃいけません。名曲)オーケストラの表記にはやや混乱がある。(LSOではなくて、New Symphony Orchestra Of Londonのはずだけれど?) さらに収録に余裕があったようで、まだ入ってました。
Brahms ハンガリー舞曲第1・3・5番 これツィゴイネルワイゼンに続いて放送されたんでしょう。わりと新しい録音だけれど、いまとなってはガーディナーの珍しい録音となってしまいました。スッキリとして軽快だけれど、オーケストラに厚みがあってしかも派手さがない。アンサンブルが緻密で、現代的な演奏でした。 しつこく「ハーリ・ヤーノシュ」の冒頭部分が収録されていて、これはもう演奏家情報が失われているが、ドラティ/フィルハーモニア・フンガリカのはず。雰囲気タップリ。「ツィゴイネル〜」以降は音質良好でした。(2001年5月12日)
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