R.Strauss 交響詩「ドン・ファン」/交響詩「死と変容」
(ハンス・クナッパーツブッシュ/パリ音楽院管弦楽団)


LP時代のデザイン R.Strauss

交響詩「ドン・ファン」
交響詩「死と変容」

ハンス・クナッパーツブッシュ/パリ音楽院管弦楽団

1956年英DECCA録音ネットより拝聴

 音楽にジャンル分け不要。小さい頃(ほんの生まれたて)より仲の良かったご近所のお兄ちゃんが洋楽・フォーク好き、PPMプロコルハルムフォーク・クルセイダーズも、そして「Eine kleine Nachtmusik」も自分にとってはすべて同列、音楽に貴賤はないんです。たまたまClassic Musicは”保ち”がよろしくて、生来Kechiな性格だから、それを息長く聴いてきたのみ。先日もYMOを聴いて一日中痺れていたこともありました。

 ほんのひと世代前30年くらい?未だフルトヴェングラー神話健在、カラヤンは絶対的な存在(それに対するアンチ・カラヤンも≒ワシ”究極の名盤”が話題になるのはLP(CD出始めも)が高価であって、音楽を愛する若く貧しい者にとって”FMエア・チェック”は必須でした。トンボ型アンテナは当たり前、カセット・テープでは物足りなくなって、家庭用DATを入手した頃には、CDを”オトナ買い”できる年齢に・・・やがて往年の(オカネモチであったと類推される)LP愛好家も鬼籍に入る時期となって、ハード・オフに大量の中古品が出回っております。21世紀はCD価格崩壊の廉価盤時代となり、【♪ KechiKechi Classics ♪】な自分さえCDを処分しつつあって、データで音楽を聴く時代へ・・・音楽を愛する魂だけはずっと大切にしたいもの。

 ・・・こんな要らぬ(いつもの)戯言を枕にしたのはネットにてHans Knappertsbusch(1888ー1965)のR.Strauss交響詩をみつけたため。LP時代1,200−1,500円くらいで出ていませんでした?記憶違いかなぁ、自分にとって彼は”異形な往年の巨匠”、Westminsterから出ていたWagnerの管弦楽作品集(ミュンヘン・フィル)は残響の少ない平板な音質、そしてごつごつ無骨な演奏に閉口した記憶もありました。(現在の耳で再確認したら、そんなことはない) 

 往年の音源を自由に聴かせてくださるYungさんには日々感謝の念ばかり、しかし微に入り細を穿つ情報提供+コメントはシミジミお勉強になっても、ちょっぴり聴き手の先入観を誘うかも知れません。サラリーマン人生も半引退の継続雇用に入り、一人息子も可愛らしいお嫁さんと結婚して孫の誕生を待つばかり、延々と聴き続けたClassic Musicへの感じ方も変わって枯れてきました。それなりの音質であれば、誰のでも良いんじゃないか、先人の遺した傑作を素直に堪能したら良いじゃないか、若く貧しかった頃、手元にあった数少ない音源に集中していたじゃないか・・・1956年当時の音質は想像通り、予想通り、この当時だったら立派なもんじゃないの?といった水準でしょう。

 当時のパリ音楽院管弦楽団は、クリュイタンスの美しい演奏で知られていて、知名度は高かったけれど、アンサンブルはひどかったとの噂はあちこち、Stravinskyを録音したピエール・モントゥー(1875ー1964仏蘭西)は”次は別のオケで”と希望したそうだし、Yungさんの情報による強面ジョージ・ショルティの逸話は抱腹絶倒、クナッパーツブッシュはオケの水準に合わせた人である、とのこと。”ゆるゆるになってしまった演奏に対してクナパーツブッシュらしさを感じて愛でる人もいる”といった配慮あるコメントもありました。じつは、それこそが≒自分。

 R.Straussはカラヤン辺り颯爽とスタイリッシュな演奏が刷り込みだけど、残響も奥行き、厚みも足りない音質、妙に生温く粒の粗いアンサンブル、そして大きな流れとスケールを感じさせて、たしかに作品とオケと指揮者の組み合わせに違和感はあるけれど、”クナパーツブッシュらしさを感じて愛でる”演奏であります。これは散々”颯爽とスタイリッシュな演奏”や最新ピカピカの音質を聴いた結末か。R.Straussはワリと近代の人(1864ー1949)とは云え、21世紀演奏技術洗練極まった時代のものとは違うんじゃないか、こんなユルい、もたもた演奏が似合うんじゃないの?そんな感慨に至りました。

 鳴り渡るホルン、躍動する情動を期待したい「ドン・ファン」は大づかみにスケール大きく、やや生煮え。静謐なメリハリ必須な「死と変容」はやや流した感じ、それでも名曲は名曲をたっぷり堪能いたしました。じつはR.Straussに続いて、ウィーン・フィルとのWagner管弦楽を聴いて、その深さ、オケの美しさ、落ち着き、揺れ動く情感に痺れておりました。もともと恣意的な評価を下す大物評論家に違和感があって始めた【♪ KechiKechi Classics ♪】、ド・シロウトは自分なりの素朴な気持ちを大切にして音楽を聴きましょう。

以上、お恥ずかしいほんの戯言更新でした。

(2018年11月18日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi