Prokofiev 交響曲第1番ニ長調/第5番 変ロ長調
(エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団)


これはLP時代のデザイン Prokofiev

交響曲第1番ニ長調「古典」(1961年)
交響曲第5番 変ロ長調(1964年)

エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団

ネットより音源入手自主CD化

 久々に本格的な風邪に苦しんで体調不良故、週末休日恒例【♪ KechiKechi Classics ♪】定例更新はほんのアリバイ程度。2010年ころからネットよりいろいろ音源入手可能なことに気付いて、当初.wav変換→CDRに焼き込んで聴いておりました。やがて圧縮データのまま閲覧モードにてPC再生→そのままコンポに無線に飛ばすようになったので、自主CD作成は終了。未使用CDRが50枚ほど眠っております。これが自主CDラスト、記憶に鮮明なのはかなりガッカリしたから。往年の英DECCA録音は立派なものだけど、アンサンブルはそうとうヘロヘロ、1960年台?あれほど激賞されたアンサンブルを訝るばかり・・・評論家ってアテにならんもんでっせ。

 でも、アンセルメはけっこう好き、聴く機会も少なくない。音質が良好なこともあるけれど、モノラル時代の音源も意外といけます。ヘロっとした薄い響き、木管辺りその個性顕著、リズムが少々ユルくてもツボを押さえた味わいちゃんとありますよ。

 古典的風情を纏った交響曲第1番ニ長調は平易に明るい風情だけど、なんかけっこう細部凝っていて、演奏は難しいかも知れません。明るく豊かに、キビキビと演って欲しい作品也。”明るく豊か”ではあるけれど、微妙にリズムのキレがよろしくないのが気になります。そんな枝葉末節なこと云わんで気軽に愉しむべき作品かも。第3楽章「Gavotta」 (Non troppo allegro)にはもっと大仰な表情を、第4楽章「Finale」 (Molto vivace) は快速テンポ、ピタリと縦線を揃えて欲しかったけど、微妙にユルいのがアンセルメの持ち味でしょう。

 交響曲第5番 変ロ長調は多彩な響き、カッコよいリズム感、打楽器大活躍!最近すっかりお気に入りに。想像だけど、きっとオーケストラの技量相当に要求されるのでしょう。第1楽章「Andante」は堂々たるスケール、迫力ある低音も響いて、勇壮たる旋律もわかりやすいもの。迫力も色彩豊かな雰囲気もあるけれど、微妙にリズムがばらばら、ノリがあまりよろしくない開始であります。第2楽章「Allegro marcato」はユーモラスかつシニカルなスケルツォの疾走、弦、木管の細かい音型に打楽器の合いの手もオモロい響きであります。この辺り、スイス・ロマンド管弦楽団の木管のセクシー華やかな音色に個性を感じるけれど、やはり雰囲気で流しているというか、縦線がピタリ揃ってリズム感の躍動はもっとほしいところ。Prokofievは上手いオーケストラじゃないとなかなか厳しい。

 ま、そんな聴き手の勝手な要求さておき、オーケストラの個性的音色(薄っぺらくて華やか、ピッチもよろしくない)を愉しめばよろしいのでしょう。第3楽章「Adagio」は優しくも静かな甘い旋律が続きます。オーケストラが弱いと音量低い=テンションが下がることになりがち。ここはたっぷりと厚みのある響きで聴きたいところ。

 終楽章「 Allegro giocoso 」は遠いホルン、木管〜弦が静かに序奏、クライマックスへの期待を高めます。一気にカッコよいリズミカルな旋律が各パートに引き継がれて、ここはいかにもProkofievの個性躍動なところ。フクザツな旋律に木管はやや調子外れ(?いつもそうだから、このオーケストラの個性でしょう)微妙に各パートが上手くないんやなぁ、だからどーのということもないけど、緊張感が続かぬ・・・流れが行方不明になるというか・・・ここもアンサンブルの縦線が全然揃わない(そのことのみを論うつもりなし)。

 この作品はもっとテンション高い、カッコよいもんでっせ。ラスト迄いまいち元気ないんです。はっきり云ってヘロヘロ。申し訳ない。

(2017年3月26日)

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written by wabisuke hayashi