Berlioz 幻想交響曲(小澤征爾/トロント交響楽団)


Berlioz 幻想交響曲(小澤征爾/トロント交響楽団) SONY CLASSICAL  SRCR1505 Berlioz

幻想交響曲 作品14

小澤征爾/トロント交響楽団(1966年録音)

ラコッツィ行進曲

ミュンシュ/フィラデルフィア管弦楽団(1963年録音)

SONY CLASSICAL SRCR1505 1,000円

 幻想交響曲の初演は1830年であって、Beethoven 、Schubert 逝去直後の作品とは俄に信じがたい・・・閑話休題(それはさておき)・・・ワタシはこの作品をそう得意にはしていないが、CDはやたらと貯まります。って、ようはするに人気作品だから中古/廉価盤にやたらと出会う、ということですな。昨年2004年に小澤征爾/ボストン交響楽団(1973年録音)盤を(@250)入手。

細部まで緻密、真面目な集中力があって、オケは抜群に上手い。ワタシはもっとグラマラスな演奏に馴染んできたせいか、”ツマらない演奏”(「幻想」に限らないが)と感じてきたが、日本人的誠実正確な演奏もエエではないか?と、印象を変えつつあります。けっこう楽しめちゃう(「音楽日誌」より)
 ま、著名なる6年後の録音はともかく、意外と入手困難なる旧録音を久々(5年以上聴いていないはず)再聴しました。巨匠・小澤征爾31歳若き日の記録であります。オン・マイクでバックにノイズもあるし、少々ヒステリックな音質なのは残念。印象は前回のコメントとほとんど変わりなし。快速テンポでグイグイ推進力旺盛です。アツい演奏ですよ。

 「グイグイ推進力旺盛」〜というか、急いて落ち着きがなく「間」も足りない。「味わい」なんてとてもとても・・・でもね、後年の妙にクールで緻密で微細で、まるで能面のような(微妙な角度で感情が揺れる・・・)ぴたり!としたアンサンブルに比べると、こりゃなんという”アツさ”でしょうか。最初っから、最後まで喧しい演奏なんですよ。ああ、うるさい!アツ苦しい!(誉め言葉のつもりです)若さの迸(ほとばし)りは素晴らしい。

 第2楽章「野辺の風景」って、ツマらない楽章だと思ってました。若き小澤は、この静かで散漫な場面(失礼)でさえ、疾走して若き情熱は抑えきれない。アツくって、喧しい。でも、楽しい。聴き手も汗かきますよ。みんな大好き「断頭台への行進」は、きつきつで精一杯、グロテスクじゃなくて華々しくも前向きで”喧しい”!存分にスピード感も有。

 表現の緻密さと入念さを引き替えに、この推進力はなくなっちゃったんでしょうか。少々、粗っぽくてもこの世界は魅力的じゃないですか。若さ、という世界は。

 たしかに「ラコッツィ行進曲」〜ミュンシュ/フィラデルフィア管弦楽団との組み合わせは、少々違和感ありますね。でもね、熟練熱血系(=ミュンシュ)の完成度はさすがですね。オケは滅茶苦茶上手いし、アンサンブルの完成度も驚異的。一本調子でまくっちゃうんじゃなくて、ちゃんと短い作品ながら「緊張と緩和」が存在して、上手い具合に聴き手を魔術に誘い込んじゃいました。

(2005年11月15日)

 


 ファンの方々には申し訳ないが、小澤は好きな指揮者ではありません。とくにここ数年、加速度的に興味を失いつつある状態。すっかりメジャーになってしまって、たまに聴く(実演ではありませんけど)演奏も常識的でつまらない。
 ボストン響のシェフを既に4半世紀続けて、高い評価。(その後・・・・ナント21世紀にはボストン響を辞して、ウィーン国立歌劇場に行くとか。凄いけど、何年保つことか・・・)きっと、そうとうの人気と実力を持っている人なのでしょう。

 小澤の若い頃の録音が、あちこちで見かけるようになってきたので、安かったら買うようにしています。この「幻想」はLP時代から注目していていました。31歳・トロント時代の演奏で、RCAから出ている「トゥランガリラ」と「武満」と並ぶ記念碑的な録音。意外と手に入りにくかったもので、LP時代も輸入盤で見かけた程度。1995年に出た「クラシック・スーパーヴァリュー」の1,000円盤では出色の存在でしょう。

   「間」のとりかたに落ちつきがなく、味わいに欠けます。が、それを補って余りある「勢い」を感じさせる演奏。テンポも速い。全体に響きが薄く、オケは超一流とはいえませんが、アンサンブルをまとめる力は流石です。

 それにオケを充分鳴らしていて気持ちがよい。全速力、一気呵成に描いた「幻想」で、おそらくライヴでは大受けなのは想像に難くありません。「若い熱さ」を実感させる1枚。健康です。元気いっぱいです。未来を感じます。希望もあります。

 こういう演奏は大好き。

 録音は高音の劣化もあり、刺激的。なんかシャーっていうノイズも盛大有。輸入盤は見たことがないから日本だけの企画かも。

 小澤の師、ミュンシュの演奏がフィルアップされているけど、必要ないなぁ。3・4分の曲だしね。CBS/SONYの廉価盤って、こういうところがいつも外していますよね。

 


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written by wabisuke hayashi