Beethoven オラトリオ「かんらん山上のキリスト」
(ブローザー/シュトゥットガルト・フィルハーモニー)


PILZ	CD160307P1 Beethoven

オラトリオ「かんらん山上のキリスト」作品85

ブローザー/シュトゥットガルト・フィルハーモニー/Seraph役がLieselotte Recmann(S)、Jesus役がReinhold Bartel(t)、Petrus役がAugust Messtaler(b)、南ドイツ合唱連盟

PILZ CD160307P1 録音年代不明〜(c)1992となっているが。たしか800円で購入

 ここ数年、時々Beeやんにはまっております。音楽室に貼ってあった渋い顔のおじさんが、「エリーゼのために」とか「ロマンス」なんかの可憐な旋律を作ったのかと思うと実に不思議。硬派の作品も良いですねぇ。このオラトリオは滅多にCDも出ないし、演奏会でも聴かれません。こんなド・マイナーな曲でも、ちゃんとPILZは新しい(かどうか怪しいもんだけれど)録音で出してくれてありがたい。

 例の如し、で、じつに不親切な録音情報。テノールもバリトン、ソプラノも誰かは不明。ジョセフ・ブローザーという指揮者も、これ以外では聞いたことはない名前。シュトゥットガルト・フィルは実在の団体で日本にも来たことがありました。(ヴェラーの指揮)歌詞解説もなし。但し、付いていたとしてもドイツ語(?ラテン語かも)だったら読めないし、仮に和訳されていても宗教的な基盤は理解不能。いつものことながら、旋律と歌声のみ楽しみました。

 全54分。6つの部分に分かれています。旋律がとてもわかりやすくて、楽しい曲ばかり。1803年作(翌年改訂)で、ピアノ協奏曲第3番と同時期であり、「英雄」の前年あたりの作曲。まだ30歳中盤で新進気鋭の頃ですよね。

 ネタがないので、いちおうCDの標記にままに

1) レシタティーヴォとアリア(イエス)
2) レシタティーヴォとアリア(天使)
3) レシタティーヴォと2重唱(天使とイエス)
4) レシタティーヴォ(イエスと男声合唱団)
5) レシタティーヴォ(イエスと少年合唱団、男声合唱団)
6) レシタティーヴォ(イエスとペテロ)、3重唱(天使、イエスとペテロ)少年合唱団、男声合唱団による合唱(以上、我流の訳で違っていたらスマン)

 ちょうど「フィデリオ」の感じで、Beethoven らしい気力充実して、真面目な旋律が続きます。第5部のオケと男性の熱き絡み合いは「第九」を上回る魅力か。ラスト第6部における、合唱(少年合唱と男声合唱の絡み合いと推測)のフーガは圧倒的に盛り上がって感銘深いこと。

 ソロは3人ともとても立派で、期待を遙かに上回る朗々とした歌声。とくにイエス役のテナーが端正・堂々・溌剌として若々しい。シュトゥットガルト・フィルの録音も珍しいのですが、無名なオケにありがちな、薄くって荒々しい響きではありません。冒頭の「序曲」みたいなところでは、やや怪しげなアンサンブルだけれど、暖かくて素朴な味わいがある。

 ブロザーは、きっとこの手の作品に慣れている人みたい。(合唱指揮とか、オペラ一筋とか)神経質に細部を整える指揮じゃないけれど、流れが自然で実演的な勢いが感じられます。合唱の水準はかなりのものです。後半に行けば行くほど熱気が加速します。

 PILZ・ウィーン・マスター・シリーズ(初耳のの演奏家ばかり)のなかでも、出色の演奏水準。録音も意外と聴きやすい。これ、予想外にけっこうな名曲だけれど、録音が少ないのは誠に残念至極。(1999年)


 その後の情報で、Adoraというレーベルの3CD4.95DM(約280円)で購入できるとのこと。CD1 交響曲第七番、Ludwig+バンベルク響+ 献堂式より序曲と合唱曲 シェーンツェラー+ベルリン響(旧西)
CD2 かんらん山のキリスト ブローザー+シュトゥットガルト・フィル
CD3 アテネの廃墟(全曲!) シェーンツェラー指揮ベルリン響+ベットヒャー+ブレンデルの合唱幻想曲

という(7番はともかく)曲も演奏も激渋で凄い!(但し、ブレンデルの合唱幻想曲は既に所有)ただ安いだけじゃない価値有。もしかしたらVOX原盤かも。

 どなたか「かんらん山上のキリスト」和訳などお持ちでしたら情報下さるとありがたい。(2001年7月20日)加筆


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