2002NAXOS15周年記念CD



NAXOS IVY2002(日本向けバージョン)  無料 (↑見えます?いちいち書くのがメンドーだったから・・・)


 個人的にはここ最近NAXOSをほとんど買いません。知名度のある作品はそれなりに揃ったし、珍しいものを買うには(少なくともご近所で)税込み1,000円以上する、というのはどうもいただけなくて、手が伸びません。それでも「これから音楽を聴いてみよう」という方々には、大いなる価値のあるレーベルと言って間違いないでしょう。

 そうか、15年経つのね。出たときは衝撃で、CDが三千円の時代に(大阪のタワーで)@1,000で5枚買ったら1枚無料〜わざわざ6枚ずつ単位で揃えていきました。現在、手元の在庫を数えてみたら計202枚。(30枚くらい売り払ったかな)最近は良心的なHistoryもの復刻が注目ですね。

 全15曲収録中、「子犬のワルツ」(ビレット)、Ibert「祝典序曲」より(佐渡)、Bruckner交響曲第3番より第2楽章より(ティントナー。5分ほど)、Satie「ジムノペディ」より(ケルメンディ)、KAKINNIKOV交響曲第1番第4楽章より(クチャル)、Haydn弦楽四重奏曲「ひばり」より第4楽章(コダーイ弦楽四重奏団)が既存所有ダブリ。

 でもね、これいろいろ珍しいものと続けて聴いていると飽きませんね、じつに新鮮。吹奏楽は小学生以来聴いていないからSOUSA(「海を越えた握手」)なんか抜群に新鮮。SAINT-GEORGESってカタログで見ていただけででした。いや、もうたいへんに繊細な作品なんですね。社長夫人西崎さんのヴァイオリンは、エレガントで雰囲気豊か。

 ビレットのChopin はたくさん持っているけど、ちょっと硬質過ぎな印象がありました。でも馴染みの「子犬のワルツ」のみ聴いちゃうとじつに可憐。で、更に「幻想交響曲」ピアノ版の「断頭台の更新」は、原曲をはるかに上回る興味深さに溢れました。この人、ヴィルティオーゾなのね。

 「アメイジング・グレイス」は本場もんのゴスペル・ライヴ。迫力ある歌い手(コンラード)に拍手も盛大です。ワタシはティントナーの偉大なる遺産であるBruckner全集の白眉は第3番と思うが、この編集者もそう考えたのでしょう。ケルメンディのSatieは初期の録音(1989年)だけれど、知られざる名演奏なんです。淡々として、ほとんどストレート。

 KAKINNIKOVは全NAXOS中でも白眉ですよ。やや散漫なる録音だけれど、「本場の節回し」(洗練されない)が味わい深い。ルネッサンス辺りの作品は独壇場ですね。コダーイ弦楽四重奏団のHaydnも得難い躍動感。甘すぎない表現が相応しい。

 さて、日本向けに清瀬保二、小山清茂、矢代秋雄、橋本國彦の作品が収録されます。ワタシは矢代のピアノ協奏曲第3楽章の、リリカルで繊細な味わいに驚きました。日本人として、この辺りの作品を専門に取り上げるサイトを作るべきか、と一瞬悩むほど魅力的。


1997NAXOS10周年記念CD

Beethoven  ピアノ・ソナタ第23番ヘ長調 作品57「アパショナータ」より  ヤンドー(1987年録音)
Mendelssohn ヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64 より第3楽章 西崎崇子(1988年録音)
Haydn 弦楽四重奏曲ハ長調 作品73-3「皇帝」より  コダーイ弦楽四重奏団(1989年録音)
Piccinin 歌劇「ラ・ボエーム」より「私の名はミミ」  オルゴナソーヴァ/ハンブルク/スロヴァキア放響(1990年録音)
Dvora'k チェロ協奏曲ロ短調より第3楽章  クリーゲル(1991年)
Brahms ワルツ 第12番ホ長調 作品39-12  ビレット(1992年)
Schumann 交響曲第2番ハ長調 作品61より第2楽章 ヴィト/ポーランド国立放響(1993年録音)
Granados 「スペインの踊り」より(管弦楽伴奏付) クラフト/ブレイナー/ラズモフスキー・シンフォニア(1994年)
Beethoven 交響曲第2番ニ長調 作品36 ドラホス/ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア(1995年録音)
MACHAUT 「La Messe de Mostre Dame」〜「グローリア」 サマリー/オックスフォード・カメラータ(1996年)
Roman 「ドロットニングホルムの音楽」〜「アレグロ」  ハルステッド/ウプサラ室内管弦楽団(1996年)

NAXOS 8.554103 200円(中古にて)

 これはインターナショナルな記念盤みたいです。「無名でも演奏は一流だぞ!」みたいな意欲に溢れていて、当時、まだ幅を利かせていたメジャー・レーベルに対する主張になっているCD。このなかではクリーゲルが出色でしょう。細部にまで配慮の行き届いた、繊細さと迫力、技巧がバランスしていて文句なし。(2002年10月20日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi