矢野顕子 「街を歩けばいいことに当たる」角川文庫 1997年発行 640円(BOOK-OFFで100円) ここんところクラシック関係の本はほとんど読んでいません。このジミ・サイトからは、ますますお客は離れつつあるが「音楽に貴賤なし」。矢野顕子ちゃんの素敵な文庫本は、買ってからしばらく行方不明だったが、ようやく発見!(って、本棚の中だけど)。 彼女のデビューは1973年「ジャパニーズ・ガール」〜懐かしいですね「丘を越えて」の軽快でふにゃふにゃな歌声。彼女のピアノはファンキーで、ノリが良くて、なにより曲が面白いんですよ。そうだなぁ「ラーメン食べたい」の、シリアスな曲調が大好き。「ひとつだけ」の静かな感動も忘れられない。CMソングになった「二人のハーモニー」も、彼女の歌が入るとほっとしますね。 これ月刊カドカワで、1992年3月〜1997年3月号に掲載された「月刊アッコちゃん」をまとめたものだそう。ほか3冊くらいあるらしい。彼女の写真いっぱいのレポート集なんだけど、いつもニッコリでね、華やかなの。「E.R.」のエリザベス・コーディ先生にも似ている感じ。ワタシとほとんど同世代だしね。なんか、旧いお友達を見ているみたい。 練馬自動車教習所あり、NY郊外型消防署ツアーあり、スタンウエイのピアノ工場見学あり・・・と多彩です。彼女の故郷である「マニアック青森案内」もある。このころ、既にニューヨークに住んでいたので「日本食料品店の現在過去未来」など、海外のほうの記事が多いんです。 彼女は沖縄大ファンだそうで、「ライヴ with 沖縄三昧」〜コレ一番好きだなぁ。文書のセンテンスが短くて、妙に客観的に書いていて、冗談めかしておもしろいんですよ、表現が。 東京に家はなくとも、沖縄に家があれば、いつでも日本に帰ってきたいと思うほど沖縄贔屓のやの。さて、その原因を探るべく、復活出前・沖縄ジャンジャン・コンサートに同行したのでした。 もう沖縄ジャンジャンはないらしいんだけどね、和気藹々としたコンサート風景、そしてその後「行きつけの沖縄家庭料理の店へと出向きました。オリオン・ビールに始まり、ゴーヤ(にがうり)の天ぷら、サーター・アンダーギー(黒砂糖の天ぷら)から泡盛まで、と沖縄三昧して」〜と書いてあるように、特別な蘊蓄を傾けるわけでもなく、サーター・アンダギーの説明は間違ったまま(編集者には沖縄通がいなかったんでしょ)。 そんな素朴さも彼女らしい。で、じゅうぶん楽しんでいることがジンワリ伝わります。ダンナとはそろそろ正式に離婚するらしいが、まだ充分若々しい歌声だし、元気で音楽活動続けてね。ワタシは貴女の大ファンです。
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