独言ひとりごと

せっかくのHPなので、なにかたまには言っておきたい(2002年8月18日)  

 「なんと無為無策な夏休みか?」とサイト上で嘆いていたら「阿波踊りに来たれ!」とのお誘い有。コレ、じつは前段の部があって、「いやぁ、数年前高知のよさこい祭りに行っちゃったけど、素晴らしいね!」なんて飲み話しをしていたら、「いや絶対、阿波踊りじゃ!」との徳島おじさんの意固地な反論が発端でした。

 2002年8月15日、徳島到着。ま、マイナス・イオン豊富な「雨乞の滝」とか、お世話になったS氏の二人娘がヒロスエ並に可愛らしい、とか、その辺りはこの「概論」の主眼ではありません。夜、6時に会場着。ま、街中みんな会場みたいなもんですよ。

2002年初心者のための
初心者による「阿波踊り概論」

1) 「阿波踊り」見物には、高い桟敷料を払う必要なし

 あちこち「会場」があります。順繰り回ると、けっこうタダで見られます。基本的に「連」(踊りのチームのこと)が、つぎつぎと会場を回ります。そういうパターンと理解して、あちこち覗けば存分に楽しめる。

2) 「連」は、自主運営団体ほど上手いという原則

 企業連(日本ハム連が参加を見合わせたのは可哀想だが)、自衛隊連、学生の連(これはとくに)はワン・ランク下がります。唯一例外は、徳島文理大学〜これは上手い。地元S氏の類推では「サークルではないか」(練習量が違う)とのこと。

 「自主運営団体」は「180はあるのではないか」(途中寄った焼鳥屋の女将の説)だそうで、有名な「連」はこだわりのせいか、つぎつぎと分裂「**連」にたいし「新**連」ができていたりする。

3) 「阿波踊り」は、基本鑑賞して楽しむべきもの

 「いや、自ら参加してこそ」というのは、「当日、にわかに素人が思いつきで」という意味でなく、日夜、名人の指導を受け、徹底して訓練鍛錬してから、ということです。ヘタな踊りは見るに耐えん。それほど高度な技術が必要です。

4) 「阿波踊り」は若者の祭りです

 想像以上に激しい踊り。時代の深化もあるが、「チャンカ・チャンカ・チャンカ・チャンカ」みたいなノンビリしたリズムとは違ってきていて、そうとうに迫力あるもの。女踊りは常につま先立ちだし、男踊りは常に中腰です。コサック・ダンスみたいなパターンもあります。若くないと踊れない。(長老名人も存在するが)

5) リズムは激しさを加えています

 よさこい祭りと違って、PAは使いません。でも、タイコが強化されていて、ハラに響きます。鐘がリズム・テンポ/パターン指示をしているのかな?結果、三味線が聞こえない。だから、連から三味線を抜いているところも増えています。笛も聞こえにくいのは残念。

6) 踊りは基本3パターン

 「女踊り」〜衣装が美しい。(もちろん女性そのものも)連ごとに色彩もまったく異なります。基本、背筋が伸びて、裾をきれいに跳ね上げるのがポイントで、集団の統率の美を競います。指先の美しい踊り、とも言われる。

 「男踊り」〜中腰を維持し、激しい動きと自由なパーフォーマンスが素晴らしい。モロに上手い/ヘタが出ます。柔らかな足さばきと、腰使いがポイント。「な〜んだ、男は自由で女は統率の美なんて、差別じゃん」と思うでしょ?ちがうんですよ〜

 「男踊り」(女性版)〜女性が男性の格好で、男踊りするんです。これがまた美しい。髪をひっつめてね、豆絞りを頭に乗せてね。ほんま。

7) 一定のパターンがあるからこそ、微妙な個性が素晴らしい

 よさこい踊りは、音楽もリズムも踊りもまったく自由(これはこれで感動するが)。でも、阿波踊りは衣装、基本的な踊りのパターン(かなり自由になってはきているものの)があるでしょ。まるで五七五の定型が決まっているこそ、自由で無限な世界が広がる俳句の世界に一脈通じる。

8) じつは緻密に計算され、振り付け、配置、構成が工夫されている

 連が会場にやってきます。テキトーに自由にやっているんじゃないです。出てくる順番、微妙な振り付けの変化、なんど見ても理解できない複雑、かつ完璧にアンサンブルが整った踊り。計算と練習のたまものです。

 「奴踊り」〜これはわりと最近発生らしいが、奴だことそれを操る人、の自由な踊りです。衣装も派手。

 「ストップ・モーション」〜リズムは激しく継続しつつ、踊りを突然ストップ。乃至、3人がストップ、3人が継続、その逆、とかね。結構カッコ良い。いわゆる、歌舞伎の大見得みたいな感じですね。

 ブレイク・ダンスで、つぎつぎダンサーがソロを披露するのを見たことがあるでしょ?あれとまったく同じパターンもあります。

9) ワタシはここを見た!

 「ちんちんちん」と鐘が鳴り出します。タイコが、つつみが呼応します。リズムの形が見えてきます。すると踊り手(とくに女踊りに注目)が、足下でリズムを取り出します。そして、メインス・テージへ。この「足下でリズム」(の、なんとも言えんムズムズ感)に注目。

 それと、こどもが可愛い。小さいのに上手いやつもいるんだよね。見ていた小さい子がまねして踊ったりするのも、たまんない。

10) 結論〜「阿波踊りの熱狂をカラダで感じれっ!」

 ま、年に一回の大カーニヴァルだから、なんでも料金が上がってます。ホテルもなかなか取れないでしょ。でも、なんとか行ってみてください。(想像だが)リオのカーニヴァルでっせ、こりゃ。見てるだけで痩せるかも。制汗剤、タオル必須。途中、ビールなども。

これも、「本で聴く音楽」の掟破って写真掲載!

「阿波踊り」おすすめサイトはコレ


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