独言(ひとりごと)共働きが長いせいか外食は多いほうです。週末は「女房の休暇」ということで、ワタシが料理することも多いし、外に出ることもある。高校生の息子もまだ付き合ってくれるし、外でお付き合いが多いワタシが「ここはおいしくて、ワリと安いな」と思ったら家族を連れて行くわけです。 ファミリーレストランは行かなくなりましたね。とにかくおいしくない。なんか心がこもっていない感じもある。回転寿司の水準は上がっているとは思うが、息子が小さかった頃の感動が消えました。贅沢になってるんでしょうか。先日の土曜日、おいしい魚と寄せ鍋(このダシが自宅じゃ出せないんです)を食べに行って、久々に満足しました。 ある日の夕食、焼き海苔を切って食卓に乗せてみました。醤油なんか付けてね、白いご飯によく合うんですよ。ホントにおいしくて、子供の頃を思い出します。女房もワタシも子供の頃は貧しかった、というか、日本全体がほとんど質素だった時代だったのです。 「子供の頃は一人当たり3枚くらいしかあたらなかった。海苔はごちそうだった」と女房が言ってました。海苔って(いまでもそうだが)けっこう高いんですよね。でも、いまなら沢山食卓に出せる。とてもリッチな気持ちになるし、息子も海苔は好きなんです。 考えてみれば不思議な食べ物で、欧米の方達には理解できないかもしれません。コンビニのおにぎりも売れ筋だし、形態は変わっているが日本の味覚は若い人たちにも生き残っているみたいで少々希望が持てます。 これ小さなノート・パソコンで書いています。まだ小さくて痩せていて、海苔ご飯が好きだった少年が、中年になったらパソコンを何台か手元に持てるようになるなんてことは、想像も付きませんでした。でも、いまでも海苔はおいしかった。「ごちそうとはなにか」「しあわせとはなにか」を考えさせられました。 なんか、たいせつなものを思い出したような気分でした。 (2001年11月2日)
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