独言ひとりごと

せっかくのHPなので、なにかたまには言っておきたい(2001年6月10日)  

 息子のミニ・コンポにはカセット・デッキをつないでいたのですが、ある日「もう使わないし、じゃまだから」と外してしまいました。友人との音源の貸し借りなんかには、もうMDしか使っていないし、ここ最近、必殺CDRが存在します。ワタシは、まだお宝エア・チェック・カセットを400本ほど在庫しているので、デッキとはお別れできません。

 でも、もうエア・チェックもしていないし、(例えば借りたCDなどの)音源コピーにはMDしか使わないので、カセットの新たな需要はないんです。あと600本ほどのカセットがどこかに眠っているが、探す気にもなれません。せいぜい、クルマのステレオ(カセットしか付いていない)用に編集するくらい。もう、時代は変わってしまったんです。

 カセットの品質はピンキリあって、値段相応に音質が違いました。クローム・ポジションとかメタルとか、ドルビーがどうの、といろいろあって、録音レベルの設定もけっこうワザが必要。なにせアナログだから、いちど録音してしまえば「上書き」でしかできない。MDは、途中に気に食わないところがあれば「削除」できるでしょ?そしたら、後の曲が繰り上がる仕組みが便利。曲順の入れ替えも自由。音質の差もない。(理屈ではわかっていても不思議な気持ち)

 子供の頃、テレビの歌番組から流れてくる音源をマイクで録音したことがありました。両親・兄弟に「静かにしてね!」なんて言ったのに、いろいろ雑音が入ったもんです。(女房の話によると、親父がわざと屁をこいたりしたそう)1970年代に入ると、ラジカセでラジオ番組を録音しました。ワタシの青春時代は「洋楽」が流行っていて、英語の歌なんかそれで覚えたもんです。(ギルバート・オ・サリバン、とか)

 オープンリール(モノラル)→オープンリール(ステレオ)→カセット(モノラル)→カセット(ステレオ)→DAT(まだ生きてはいるが)→DCC(デジタル・カセット〜これは消えました)→MD(これが普及しているのは日本だけらしいが)→CDR(?)→HD録音(!?) ま、出っ込み引っ込みがあったり、重なったりする時期もあるが、わずか30数年での変遷はまったくめまぐるしい。(そういえば8トラ、というのもあった)

 ビデオだって、大昔のなんとか、というのからVHSとベータの戦いを経て、S-VHS、いまはデジタルのナントカというテープですか?VHDとレーザーディスクの戦いがあって、これがDVDへ、さらにDVD-RAMというのもあるらしい。(映像関係は興味が薄いんです)これにPC関係の画像もある。(MPEGとか)こりゃ、付いていけないのもあたりまえ。

 カセットはやがて捨てる日が来るでしょう。LPとの別れは痛恨だったが、カセットとは存分に別れを惜しんだ気もします。欧米ではカセットはまだまだ大きな市場らしいが、日本では会議用とか、熟年・高齢層の媒体となってしまいました。懐古趣味になるつもりはないが、時代の流れを感じます。ものを大切にするのは当たり前だが、別れの日は必ずやってくるのがツラい。(2001年6月10日)

 


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