Haydn 交響曲第88/104番
(ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル)
Haydn
交響曲第 88番ト長調(1964年録音)
交響曲第104番ニ長調「ロンドン」(1965年録音)
R.Strauss
ホルン協奏曲第1番 変ホ長調 作品11(1967年録音)
ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー/ブヤノフスキー(hr)
Russian Disc RDCD11163 レニングラード・フィルハーモニー大ホールでのライヴ録音
旧ソ連の崩壊に伴って大量の音源が流出。政治的・経済的混乱に乗じて、正規なのか海賊なのかわからない録音が、様々なレーベルの名を冠して格安で出回っています。このCD自体は3ドル弱(送料別)で個人輸入したものですが、行きつけのレコード屋さんでも800円くらいで見かけました。
ムラヴィンスキーはよく知っているようで、じつはワタシ自身はあまり彼の録音を聴いていません。ほとんどDGのTchaikovskyの交響曲のみの印象(怒涛の迫力と厳しさ)。と、いうかロシア関係の演奏家を聴く機会が少ないのかな。Haydnはモーツァルトほどではないにしろ、聴く度に幸せになるようなお気に入りの作曲家のひとり。どんな変化球でも聴き手の耳をゴマかせない、演奏者の実力が、そのまま表に出てしまうコワい作品群でしょう。ましてこのCDはライヴ。
あまり音の状態が良くなくて、どうも人工的なステレオ化のようです。
第88番の交響曲は、Haydnらしい屈託のない楽しい曲。ワーズワース/カペラ・イストロポリターナ(NAXOS 8.550287)のスッキリとした、飾らない演奏でしか聴いたことがなく、それで充分楽しいと感じていました。ムラヴィンスキーはメリハリをつけて、それなりに骨太な演奏と思います。ストレートな演奏ではありますが、最初のうち重く−重苦しくはないが−感じました。だんだん興がのってきて、フィナーレは快速なアンサンブル。ユーモアはこの人には期待できないでしょう。
「ロンドン」は、Haydnのなかでもっとも好きな曲。Mozart に負けないスケールと陰影に富んだ旋律が美しい。
冒頭からスケールの大きなアダージョが、まるで深刻なShostakovich。ティンパニの迫力はHaydnではない。アレグロに入ると、一歩一歩踏みしめるような堂々とした歩みが聴かれ、完成度の高い演奏でしょう。響きは必要以上に分厚くならず、細かいニュアンスにも不足しない。全体としては、ちょっと立派過ぎで不機嫌。素朴な味わいが欲しかったところですが、それではムラヴィンスキーである意味がないので、これで良いのです。
R,シュトラウスのホルン響第1番は、名手ブヤノフスキーのビロビロにヴィヴラートのかかった甘いあま〜い音色が堪能できるでしょう。曲自体はあまりまだ馴染んでなくて、ブレインの録音とじっくり聴き比べたいと思っています。
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