Mozart ピアノ協奏曲第20番ニ短調
ヴォイト((p)と指揮)/ベロリネンシス・フィルハーモニー

Chopin  ピアノ協奏曲第1番ホ短調(メイナー)

World of  Classic 8701037 Mozart

ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466
ヴォイト(pと指揮)/ベロリネンシス・フィルハーモニー

Chopin

ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11
レオン/ベロリネンシス・フィルハーモニー/メイナー(p)

World of Classic 8701037  1990年代の録音? 590円で購入。(ヴァージン・メガストアにて)

 「百万人のクラシック第37巻」となっていますので、なにかの「名曲全集」的なシリーズのうちの1枚なのでしょう。いろいろな雑誌に取り上げられて有名になったCD。ドイツ製です。いかに安いとはいえ、この無名さに耐えて買うのが廉価盤道。

 なにが有名かというと、モーツァルトのほうのジャジィなカデンツァ。たしか、プレヴィンもこの類の録音を残しているはずですし、NAXOSでのハイドンのチェロ協奏曲(独奏カンタ)でも自由なカデンツァが聴かれます。こういう遊びは大好き。(だからジンマンのBeethoven も許容)

 オケも演奏家も初耳で、読み方もいい加減ですが、アイルランドの演奏家とか。カデンツァはさておいて、演奏そのものは明るく、かなり早めのテンポで疾走します。軽くて、知性を感じさせないノーテンキ気味のピアノ。デリカシーとか、深みとは縁がなくて、さっさと進んでいきます。あまり意味深さを感じさせないルバートも登場。細部は雑。引き崩しも有。オケは小編成でまぁまあの出来。

 期待のカデンツァは、有名なもの悲しい第1楽章の主旋律を生かして、かなりロマンティック。「シェルブールの雨傘」なんかを連想させて、甘い雰囲気が楽しく聴けますね。こちらが事前にかまえてしたせいか、そうショックはありませんでした。できれば、あと5分ほどタップリ引っ張ってほしかったところ。はっきりいって、カンデンツァの遊びが一番イキイキとして決まっている。

 第2楽章「ロマンツェ」では神妙にしているヴォイト。トツトツとしたピアノは古楽器風でもある。うん、この楽章はフツウの演奏としても悪くない。中間部の突然のテンポ・アップもおもしろい。その安易なキマリかたは、ふだん硬派のクラシックとは縁がなさそうな印象を受けます。

 第3楽章も快速で、落ち着きのないテンポながらも「ノリ」が感じられます。そして、始まって3分過ぎ、ややテンポを落として満を持して・・・カデンツァ登場。素敵な生ピアノ付き「大人のバー」の雰囲気。「素敵な彼女にカクテルMozart を・・・」なんて、想像しているうちに、本筋に戻って我に返りました。

 これでそのまま終わりか、と思いきや、6分を過ぎて再び「大人のバー」へとご案内。こりゃガーシュウィンだな。そうとう遠回りしてからMozart に帰ってきて、いつの間にかフィナーレ。印象としては、ジャズ・ポピュラー系の腕利きがクラシックでアルバイトしました、という感じでしょうか。


 ショパンのほうは、とくにかわった趣向があるわけではありません。ま、はっきりいって「大人のバー」Mozart のあとでは、なにを聴いて物足りなく思うのは当たり前。オケはずいぶん薄手で上手くないけれど、いかにも「名曲全集」らしい素直な演奏。ピアノもオーソドックスで意外としっとり、これだけ聴けばじゅうぶん美しい。

 「イロものCD」の類でしょうが、一聴の価値あり。自慢できます。黙ってドライヴなんかに使うと、同乗者の音楽的素養がわかります。嗚呼イヤミ。(2000年6月16日更新)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi