Mozart ピアノ協奏曲第10番 変ホ長調K.365/
Mendelssohn/Kabalevsky(エミール・ギレリス+ヤコブ・ザク(p))


YEDANGCLASSICS YCC-0137
Mozart

ピアノ協奏曲第10番 変ホ長調K.365

エミール・ギレリス/ヤコブ・ザク(p)/キリル・コンドラシン/ソヴィエット国立交響楽団(1949年)

Mendelssohn

ピアノ協奏曲第1番ト短調 作品25

エミール・ギレリス(p)/キリル・コンドラシン/ソヴィエット国立交響楽団(1953年)

Kabalevsky

ピアノ協奏曲第3番ニ長調 作品50

エミール・ギレリス(p)/カバレフスキー/ソヴィエット国立放送交響楽団(1954年)

YEDANGCLASSICS YCC-0137  10枚組3,990円

 米PIPELINE原盤によるロシア秘蔵音源を集めた(既に消えた)韓国レーベル「YEDANGCLASSICS」より。CD製品としての造りは上質、こうして時に珍しい音源も届けて下さいました。2004年頃ごっそり”オトナ買い”し、ここ数年ずいぶんと処分したものです。歴史的音源は音質に要注意!なのは当たり前だけれど、これはかなり良好。いずれ時代的にモノラル収録だけれど、それなり聴きやすく、なにより収録音源が珍しくてありきたりではない。

 Mozart 2台ピアノのための協奏曲 変ホ長調K.365はココロ温まる親しげな旋律が名曲中の名曲。ギレリスは数回録音しているはず(娘エレーナ・ギレリスとの1973年録音は、あまりの父親激似に驚いた記憶有)で、ヤコブ・ザク(1937年Chopin コンクール優勝)との共演とはずいぶん贅沢(かつ貴重)な・・・落ち着いて硬質な愉悦、ちょっぴり重量感あるMozart だけれど、明快であり躍動感+陰影があって存分に楽しいもの。とくに終楽章の”暗転”、そしてカデンツァには比類ない説得力有、二人のソロは肩の力が抜け、くつろいでおります。

 引き続きMendelssohnへ。いつもはこの作品をあまり楽しめないが、落ち着いた味わいがとても美しく、繊細な演奏でした。あまり多くの種類を聴いていないんだけれど、旋律が劇的だから、演奏趣向もそれに合わせたものが多かったと思うんです。ギレリスは速いテンポでの意外な抑制、テンポを落とすところでの優しい表情、テンポの大きな揺れがが効果的で、これが通称”鋼鉄のピアニスト”ですか?第2楽章は作曲者に期待される甘美で優しい旋律を、そっと、ていねいに表現しております。

 この深みのある静謐感がたまらぬ魅力。この作品はアタッカで演奏されるよう楽譜指示があるんですか?細かい音型が無垢に明るい終楽章は、素晴らしい技巧が披瀝されました。これも細部ニュアンスいっぱい・・・

 Kabalevskyは初耳か?サイト内検索掛けても上記2曲は出現するが、これだけ言及が存在しない・・・これが剽軽ユーモラス、明るい旋律が平易で牧歌的、民族的で泥臭い感じなんです。ちょっぴり哀愁のテイストに暗転したりして、ありがちな懐かしい旋律(初耳でも)。ネット検索すると副題「青春」とか「若さ」(「Youth」か)とかなってますね。第2楽章は静謐孤独なモノローグ゙で開始され、やがて激しいテクニックを駆使した盛り上がりに至ります。

 最終楽章は軽妙軽快なる快速であって、ところがけっこう”哀愁”テイスト鏤められて”民族的で泥臭い”名曲!Shostakovichほど話題にならぬが、おそらくは負けない隠れ名曲でしょう。ギレリスは硬質なタッチで明快に仕上げております。

 コンドラシンのバックは立派だったが、ラスト作曲者の指揮はプロじゃないし、少々ラフっぽく、しかも音質はこれが一番落ちます。安易なメジャー路線は歩まぬぞ、といった【♪ KechiKechi Classics ♪】に相応しい価値ある貴重なる一枚也。

(2009年2月6日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi