Mozart /Copland/Weber クラリネット協奏曲
(ジェイムス・キャンベル(cl)/F.P.デッカー/カナダ国立芸術センター管弦楽団)


CONIFER CLASS 7101
Mozart

クラリネット協奏曲イ長調K622

Copland

クラリネット、弦楽、ハープとピアノのための協奏曲

Weber

クラリネット協奏曲変ホ長調 作品26

ジェイムス・キャンベル(cl)/F.P.デッカー/カナダ国立芸術センター管弦楽団

CONIFER CLASS 7101  録音年不明(c)(p)1991  $1.99(?)で個人輸入

 Mozart のクラリネット協奏曲は「見かけて安かったら絶対にCDを買う」お気に入り作品の代表。というか、Mozart 、Bach はほとんど無条件降伏なんですよ、ワタシ。これ、やや選曲的に無定見ながら、いずれ魅力横溢の3作品、しかも知名度低い演奏家陣で〜フランツ・パウル・デッカーは昔から(ちょろりと)知ってはいるけどね、ジェイムス・キャンベル(カナダの人らしい)って誰やねん?〜こういうCDはワタシの趣味の原点ですよ。(ああ、グールドとDebussyの録音をしていますね。けっこう有名人か)

 Mozart のクラリネット協奏曲は「一切の駄作が存在しない」天才の作品中でも、更に最高峰を極める清冽なる音楽。この作品の録音に優劣など付けられるはずもありません。が、カナダ国立芸術センター管弦楽団(National Arts Centre Orchestra 〜訳がムリムリか?)の伴奏が冒頭始まったら、ああ、こりゃちゃんとしたアンサンブルだな、って誰でもわかります。

 しっとりと瑞々しく、静謐。そしてキャンベルのソロ登場〜なんやらよく知らんが、流派みたいのがあるんでしょ?クラリネットには。ちょっと適切なるヴィヴラートが掛かって、音色に華やぎが感じられました。明るく微笑むMozart 。落ち着いていて、表情がは穏やかでした。この曲、人間としての本質的な「寂しさ」を感じさせて下さる演奏じゃないと、ね。文句ないでしょ。

 低音から高音まで、艶やかによく伸びる音が素晴らしい。音色が明るく輝きます。ま、いつ聴いても、たいていの録音でも感動することに間違いはないが、自然体の演奏ながら、これほどの技量のクラリネット(スムース、且つ落ち着いた味わい)も久々に聴かせていただきました。アダージョがこれほどの感興を持って歌われる演奏も貴重でしょう。終楽章、柔らかくハズむロンド(輪舞)の控え目な楽しさも出色。聴き手のカラダを揺らせます。静かなるノリがありました。


 Coplandの作品は、どれも大衆的で「旧き良きアメリカの良心」を感じさせる、懐かしい旋律が溢れます。まるで大草原が広がる、開拓農民の夜明けか。ココロ安らかに、深呼吸しているかのような安寧の旋律〜ところが短い「カデンツァ」(という名の楽章)でコロリと雰囲気が変わります。

 まさに、クラリネット・ソロはスウィングするジャズへ。終楽章はユーモラスが躍動します。この軽快なる味わいは、独墺系では出せない味でしょう。ピアノとの絡み合いも効果的です。バックの編成は小さいが、色彩には不足しない名曲でした。


 この三曲のクラリネット協奏曲はどれも素晴らしいが、同一盤に収録するには少々違和感があります。(できれば別々に聴きましょうね)Weberの作品は、三曲あるウチのいわゆる「小協奏曲」。独墺系苦手のワタシにとってWeberは(数少ない)無条件幸福的作曲家であり、素朴なドイツ民衆的旋律・リズムに魅了されるのはこの曲とて例外ではない。

 ちょっと劇的で暗いアダージョから、変奏曲の元となる旋律が朗々と歌われると、ウキウキと喜ばしい。ちょっと色気のあるクラリネットで歌われるWeberは何ともいえない魅力でしょう。

 フランツ・パウル・デッカー率いるバックは文句なしでしょう。

 ウィーン・フィルの団員であるオッテンザマー盤のWeber(8.550378)は、やや抑制の効いた音色で、高音から低音まで均一な音色を誇ります。表情細かいソロが格段の技量だけれど、ヴィルトナー/スロヴァキア国立フィル(コシツェ)のバックが愕然とするほど美しくありません。(2003年1月3日)


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