Mozart セレナード第7番ニ長調 K.250(248b)「ハフナー」
(フェルディナンド・ライトナー/ヴュルテンベルク州立管弦楽団/ズザーネ・ラウテンバッヒャー(v))


CONCERTOROYALE 206238-360  3枚組690円 Mozart

セレナード第7番ニ長調K.250(248b)「ハフナー」

フェルディナンド・ライトナー/ヴュルテンベルク州立管弦楽団/ズザーネ・ラウテンバッヒャー(v)

CONCERTOROYALE 206238-360 録音情報不明 3枚組690円

 好きな音楽を好きなだけ、そんな子供の頃の夢は叶いました。ほんのちょっと前、十数年前までLP〜CDも高価だったでしょ?演奏水準やら録音の良し悪し、知名度さておき、まず作品にちゃんと馴染むこと、幅広く音楽を聴くこと、”安いこと”が必須だったのは当たり前。やがて幾星霜、似非金満後期中年は十数種類のBrahms やらBeethoven 交響曲全集を眼前に、嘆息する日がやってくるなんて・・・Mozart 全集(BRILLIANT)を入手して欣喜雀躍したのは2006年頃?セレナーデ・嬉遊曲・舞曲集全部、一生聴く機会もないだろうなぁ、そんな諦めは無事クリアされたのに、それだけでシアワセはやってこない・・・

 こんな珍しい音源の(棚中)存在もすっかり忘れておりました。往年のVOX録音、ライセンス関係少々怪しい音源が一時激安にて出回りました。フェルディナント・ライトナー(Ferdinand Leitner, 1912-1996)は日本でもお馴染み、典型的なオペラ畑人だったのでしょう。戦後シュトゥットガルト歌劇場(このオケのこと)のシェフも務めたとのこと。1960年台の録音と類推、音質はワリとまともでした。第3楽章(ほの暗い)「Menuetto」にちょっぴり音揺れがあります。

 全曲57:40に及ぶ長い作品へのエントランス、第1楽章「Allegro Maestoso」各パート準備体操のように様子を見ながら、一気呵成にスタート・ダッシュを掛けます。ライトナーはよく整ったアンサンブル、落ち着いてバランスを見ているのでしょう。オケは明るい響き、躍動と熱気に不足はない。(7:11)

 第2楽章「Andante」(9:20)/第3楽章「Menuetto」(4:15)/第4楽章「Rondo-Allegro」(8:19)は、ヴァイオリン協奏曲仕立てになっていて(知名度さておき)名手ズザーネ・ラウテンバッヒャー(Susanne Lautenbacher, 1932-)のソロが聴きもの。愉悦と躍動に溢れ、華やかにヴァイオリンが細かい音型を歌う「Rondo-Allegro」はクライスラーの編曲によって多く人々に愛され、知られている旋律と思います。ヴァイオリン・ソロは過不足のないテクニック、抑制された表情のニュアンス、陰影の変化、自然なノリ、艶々の美音じゃないけどコクがあって知的、オケとのバランスも出色。(フルートはもっと浮き立って欲しい)ドキドキするほどおみごと。

 第5楽章「Menuetto galante」は、ノンビリとして(作品途中だけど)楽隊入場行進のような風情有。当時の演奏会は全部一気に演奏しなかったらしいし、ここで気分を変えたのかも。第6楽章「Andante」はしっとり優雅、安寧のやすらぎであります。第7楽章「Menuetto」はフルート・ソロ〜(中間部)掛け合い、それに呼応するホルン、遠くから鳴るトランペットが夢見るように美しい。この辺り、ヴュルテンベルク州立管の腕はたしか。この2楽章は、愛するヴォルフガングが生み出したもっとも美しい旋律のひとつでしょう。

 終楽章「Adagio-Allegro assai」は名残惜しげ、ゆったり振り返るような出足(序奏)。この辺り、ライトナーはけっこうロマンティックでしょうか。やがて主部に入ると(例の)躍動が始まって慌てず走らず、微笑みを浮かべながらスピードと熱を上げております。(6:07)全編を締め括って、決して”長さ”を感じさせません。

written by wabisuke hayashi