Mozart フルート・ソナタ集K.10〜15
(マルク・グローウェルズ(fl)/ガイ・ペンソン(fp/cem)/ジャン・シファー(vc))
Mozart
フルート・ソナタ集「ロンドン・ソナタ」
変ロ長調 K.10◇
ト長調 K.11□*
イ長調 K.12◇*
ヘ長調 K.13□
ハ長調 K.14*
変ロ長調 K.15
マルク・グローウェルズ(fl)/ガイ・ペンソン(fp◇/cem□)/ジャン・シファー(vc)*
BRILLIANT 99569 1989年録音 購入価格失念(おそらく300円より下)
ここ数日、BRILLIANTの全集音源よりこればかり聴いておりました。グローウェルズはベルギーの名手だそうで、深く豊かな音色と表現で魅了しております・・・が、ガイ・ペンソンは古楽器スタイルであって、演奏スタイルの統一という点ではいかがなものか、とちょっとだけ(理屈で)感じました〜フルート・ソロの妙技を聴いているとやがて、そんなことは気にならなくなっちゃう。Mozart 初期(小学生でっせ)の作品をこれほど楽しく、瑞々しく堪能したのは初めてかも。ちょっとゴージャス過ぎるスタイルなんだけど。
チェロは「アド・リブ」となっていて、作品毎にチェンバロとフォルテピアノとの使い分けも工夫しております。ま、フルートじゃなくて、ヴァイオリンで演奏しても良いらしい。ワタシはあまりフルート・ソロというものを好んでいなくて(管弦楽中だったら別)、連続して聴くと少々厭きる〜この作品、以前所有していたCDではちょっと苦手にしていたんです。(ちなみにヴァイオリンでの演奏でも同様の感想有)この演奏は、グローウェルの自在なる表現と、通奏低音の使い分けが上手で厭きさせない。リンク先情報によると新全集では「ピアノ三重奏」に位置付けられるらしい。
浮き立つ躍動の変ロ長調 K.10、素直なアンダンテを経、牧歌的なメヌエットで締め括られました。軽くステップを踏むようなト長調 K.11、快活で明るい表情の2楽章作品。しっとりとした味わいのイ長調 K.12、これも可憐な表情の第2楽章で終了します。おそらくは一番有名なヘ長調 K.13は、いかにも嬉遊曲の風情が溢れて躍動します。アンダンテのほの暗い味わいはこどもの作品は俄に信じがたいもの。終楽章の下降旋律も粋なものです。
ハ長調 K.14は晴れやかな表情の旋律が、チェンバロだけの控え目な伴奏に映えます。フルートとチェンバロが、楽しげにおしゃべりを愉しむ第2楽章「アレグロ」はやがて暗転して表情豊か、終楽章「メヌエット」は日差しが差し込みような風情。変ロ長調 K.15のゆったりと、立ち止まる旋律が有名でしょう。チェロが効いてけっこうスケールが大きい。ラストはいつもの楽しげな舞踏が眼前に浮かびました。 |