Mozart 舞曲集(パウル・アンゲラー)Mozart
序曲と3つの田園舞曲K.106 (588a) (偽作?)
ラウテンバッヒャー、ベー(v)/ホルトナーゲル(b)/ストレーベル(fl)/ランチェス、ミヒャエル(ob)/エツォルド、フォエルト(fg)/カカール、シューマン(hr)/パウル・アンゲラー(指揮とva)
●いつもいつも「Mozart con grazia」に、深く感謝。
PRELUDIO PHC-3142 1979年 812円(税抜)にて購入 コンサートホール・レーベルの音源を多くCD復刻していた「PRELUDIO」だけれど、これは相対的に新しい録音なので、旧コンサートホール音源ではないでしょう。2006年辺りから進めている「CD削減計画」は結果的に「場所削減/総量維持」で留まった状態ながら、ぼちぼち継続して「Mozart の舞曲集はBRILLIANTで揃えたし、ラウテンバッヒャーのファンはいるだろうし、処分しようかな?」と再確認していた音源だったんです。ところが、いきなり冒頭の序曲と3つの田園舞曲K.106 (588a) が「偽作?」とのことで、今となってはなかなか入手不如意・・・ま、ゆっくり楽しみましょう、あわてて処分する必要なし、と判断いたしました。 Mozart の舞曲集は、BRILLIANT全集中でも92627/18-23の6枚分となっており、けっこうな物量です。(演奏はタラス・クリサ/スロヴァキア・シンフォニエッタ2002年ジリナ録音/現代楽器によるオーソドックスな演奏です/行進曲は別収録)行進曲もそうだけれど、各々短い一種の機会音楽であり、これだけ取り出して延々と集中して愉しむ!というのは難しいかも。時々、気軽にCDを取り出して聴き流す〜そんな対峙姿勢が正しいと思います。 収録作品各々に詳細リンクを張ったのは、楽器編成にチェロを(ヴィオラだってほとんど)含まないという事実確認のため。ま、低弦パートが各々独立するのはもう少々後の時代だけれど、そういった意味じゃなくてシンプルな編成だ、ということなんです。これも数分の短くも儚い、愉悦に充ちた世界が通り過ぎます。ヴォルフガング命!のワタシだって「6枚一気聴きせよ!」という命令には従い兼ねる・・・折に触れ、少しずつじわじわ取り出して味わうべき作品でしょう。 冒頭のK.106 (588a)(偽作?)・・・専門家筋によるといろいろ作品的に厳しい評価もあるようだけれど、市井の音楽ファン(=ワタシ)なら間違いなくゴキゲンなるMozart !に出会えます。ちょっとした小さな交響曲的味わい(?)か。ちゃんと(例の)”暗転”だって顔を出します。各々の作品にコメントするほどのこだわりもない(どれも楽しいし)けれど、行進曲 ニ長調 K.290 (167AB)は、(リンク先解説にあるように)セレナード第7番ニ長調K.250の(楽隊の)入場行進であって、馴染みの旋律が懐かしく響きました。行進曲 ニ長調K.445 (320c)は名曲中の名曲・嬉遊曲第17番 K.334の入退場作品として耳慣れたもの。 こんな作品に演奏の質云々しても仕方がなくて、そこそこの音質とアンサンブルが実現されていれば文句なし。但し、ここでの演奏メンバーは腕利きばかりで、優雅、悠々と躍動しておりました。昨今の古楽器系とは縁遠いが、全39分ほどゆったりと楽しく過ごせます。適度な残響も快く、とくにラウテンバッヒャーは良く歌って味わい深いヴァイオリン、ホルンの長閑(のどか)な響きは特筆べき水準でしょう。この音源は入手可能かどうか、定かではありません。パウル・アンゲラーには古今の舞曲的作品の録音が、けっこう残っております。 (2007年6月15日)
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