Mozart 交響曲第38番ニ長調K504「プラハ」/
第40番ト短調K550/第41番ハ長調K551「ジュピター」
(カール・シューリヒト/パリ・オペラ座管弦楽団)


懐かしいコンサートホールのLP Mozart

交響曲第38番ニ長調K504「プラハ」
交響曲第40番ト短調K550
交響曲第41番ハ長調K551「ジュピター」

カール・シューリヒト/パリ・オペラ座管弦楽団

SCRIBENDUM SC 011 10枚組 1963-64年録音

 13年ほど前に交響曲第36番ハ長調「リンツ」/第40番ト短調へのコメントを残しておりました。曰く

 シューリヒトの交響曲は、ずいぶん久しぶりだけど、これ、やっぱり絶品だなぁ。ト短調交響曲がこれほど繊細に、そくそくと胸に迫る悲しみが横溢することも珍しい。リキみはないが、一件淡々と見えながら、じつは旋律の細部にまで感情がこもっていて、並の表現じゃない。けっして粘らず、即興的な流れは崩さない。速いテンポが微妙に揺れるんですよ。

 この曲、初めて録音で聴いたのはこの演奏だった記憶有。(またはセルか?)中学生だったワタシは、いきなりこんな名演を聴いちゃったんだなあ。「オケが三流。音質最悪」なんていわれるが、これ、なんの不満があるの?「リンツ」はハ長調の難しい作品だけれど、ストレート系のほとんど(一見)なにも味付けしないような表現でした。

 アンサンブルを神経質に整えるタイプじゃないから、粗っぽく聞こえるかも知れません。しかも、このオケは(録音のせいか)低音がやたらとカルくて、聴き流せばただのヘロ演奏に思えるかも。この飄々とした躍動感、軽快な勢いはオケの明るい響きと相まって魅力爆発です。「リンツ」は「勢い命」ですから。

   イアン・ジョーンズのマスタリングによるSCRIBENDUM盤を久々に拝聴いたしました。写真は懐かしい通販コンサート・ホールLP(入会記念380円也 )ここ最近、新しいピカピカの録音やらアンサンブルの整った”上手い”オケばかり聴いていて、それに比べればたしかに(悪意を感じさせるほど)よろしくない濁った(曇った)音質、オケも良質とは言い難い〜

 でもね。

 これで出会った子供の頃からの馴染みですから。拝聴にさほど苦痛に非ず。記憶より改善されております。

 天翔け、溌剌軽快に疾走する「プラハ」。低音が弱いのは録音のせいですか?おそらくはそうなんだろうけど、もともとオケがゴリゴリ重厚なサウンドじゃないんでしょう。アンサンブルはややラフだけど、神経質に縦線を合わせればそれですべて解決!というものでもないしょう。(フリッツ・ライナーのアンサンブルは快感を呼ぶのも事実だけれど)響きの薄い、明るい軽い管楽器の響きは仏蘭西そのもの。Mozart ってこんなサウンドでしょ、といった前提はこの録音のノーミソ刷り込みなんでしょう。

 素っ気なく、淡々として、その実細かいニュアンスに充ちてもの哀しい第40番ト短調、爽快なスケールに涼し気な風情漂う「ジュピター」。かつてテンポ速めと感じていたけれど、時代は古楽器主流に遷って、シューリヒトはフツウ、むしろやや遅めな体感に至りました。とくに音質の意味から今更、標準としてこれを推薦する勇気はないけれど、ちょっと懐かしく振り返ってしまいました。本日の更新はこれでご勘弁を

(2015年10月4日)
   

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written by wabisuke hayashi