Mozart ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調K.482/
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(ゲーザ・アンダ(p)/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団)
Mozart
ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調K.482
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
ゲーザ・アンダ(p)/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
DG 429 001-2 1962-63年録音
駄作が存在しないMozart作品中、この辺りがさらなる傑作の森の白眉。Anda Geza(1921ー1976洪牙利→瑞西)による1960年代弾き振りの全集は現役音質。My CD時代に入った1990年代中盤、最初に入手したピアノ協奏曲全集であったと記憶します。久々の拝聴はしっとりとした残響を感じさせる音質はまずまず、暖かく飾らぬシンプル、明晰に豊かなタッチに感銘を深めました。伴奏のアンサンブルはちょっと粗いけれど、それも味のうち。最近はちょっと忘れられた存在に至ったかも、なんせもう60年前ですから。
変ホ長調協奏曲K.482は一点の曇りもない前向きに溌剌と始まる第1楽章「Allegro」元気よろしく可憐なカデンツァ(アンダ自作)がなんとも魅惑。(13:00)
第2楽章「Andante」は寂しげに神妙、陰影豊かな変奏曲。途中、夢見るような木管アンサンブルの美しさ絶品。(9:41)
第3楽章「Allegro」のノンビリとした風情に付点のリズムは軽い足取り、映画「アマデウス」の朝帰り場面を思い出させるもの。デリケートな明るいタッチになんとも味わいがあって、オーケストラもソロと息が合ってバランスがよろしい。ここにも懐かしくもステキな管楽アンサンブル登場。(11:18)
屈指の甘い旋律を誇るイ長調協奏曲K.488もファンは多いことでしょう。こちらも伴奏はちょっぴり不器用な感じ。
第1楽章「Allegro」は優雅に、満面の笑みを湛えて始まりました。コロコロと玉を転がすようなピアノの魅力満載。途中ちょっぴり名残惜しいテンポ・ダウンも効果的。こちらカデンツァはMozart自身によるものとのこと。(11:08)
第2楽章「Adagio」は嬰ヘ短調のシチリアーノ。無垢な哀しみが粛々と忍び寄って、これはMozartが残した最高傑作のひとつでしょう。(6:55)
第3楽章「Allegro assai」は一転、快活に弾むようなフィナーレ、表情は前向きに明るく、輝かしい。途中暗転の陰影深い効果はMozartの十八番、もうこれは技術的云々に非ず、飾りや要らぬテンポの揺れもない、微妙にデリケートな味わいの完成度でしょう。(7:59)
今回拝聴した音源のフィル・アップはピアノ協奏曲第3番ニ長調K.40。12歳、他の作曲家からの編曲となります。これも溌剌と優雅な作品、栴檀は双葉より芳しい実例でしょう。「Allegro」(4:59)「Andante」(3:59)「Presto」(3:33)。 (2025年11月29日)
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