Mozart ディヴェルティメント ニ長調K.136/
変ロ長調K.137/ヘ長調K.138/
6つのレントラー舞曲 K.606/協奏交響曲 変ホ長調K.297b
(カール・リステンパルト/ザール室内管弦楽団)


reDiscovery RD088 Mozart

ディヴェルティメント ニ長調K.136/変ロ長調K.137/ヘ長調K.138
6つのレントラー舞曲 K.606
協奏交響曲 変ホ長調K.297b(K.Anh.C14.01/復元稿?)

カール・リステンパルト/ザール室内管弦楽団/ジョセフ・ボップ(Joseph Bopp/fl)/アンリ・ブーシェ(Henri Bouchet /fg)/ハンス・クル(Hans Kull /ob)/アンドレ・フルニエ(Andre Fournier/hr)

reDiscovery RD088 1960年頃の録音

 Karl Rstenpart(1900ー1967独逸)によるステレオ録音。ソリストの詳細情報は探せませんでした。音質はかなり良好。ネットから音源を入手して現在CD化なっているのかは不明です。

 16歳の天才による天衣無縫に明るい旋律が躍動するディヴェルティメント「ザルツブルク・シンフォニー」これは大好きな17歳の作品。オリジナルは弦楽四重奏?最近の演奏スタイルではめったに聴けぬ、思わぬしっとり豊かな厚みのある響きに驚きました。時代錯誤的な大きさに非ず、清潔に歌って明朗な表情、細部ニュアンスは入念、とても気持ちのよろしい立派なアンサンブルでした。

 ニ長調K.136は天衣無縫な華やかさに陰影も豊かな「Alleguro」(4:07)ゆったりと微笑みを浮かべつつ情感も高まる「Andante」(6:13)ラストは快速、笑顔いっぱい一気呵成に駆け抜ける「Presto」にはフーガも見られます(2:32)変ロ長調K.137はやや暗い?に表情、優雅にゆったり「Andante」が始まりました。瑞々しい弦ですね。これをまるで序奏として(4:25)「Allegro di molto」は力いっぱい快活に軽やかなな疾走(3:30)「Allegro Assai」はその勢いのまま3/8拍子が弾むような愉悦を感じさせました(2:02)ヘ長調K.138は破顔一笑な饒舌に溢れた「Allegro」からスタート(3:45)大きく深呼吸するように爽やか、ときにちょっぴり哀しい歌が延々と続く緩徐楽章「Andante」(4:42)を経、表情豊かに走り出して、途中各パートの掛け合いもユーモラスな「Presto」に締めくくりました(1:56)

 6つのレントラー舞曲 K.606はMozartが亡くなった年の作品。弦3部の編成、なんともシンプル、ノンビリと枯れて無垢な小品は、注文に応じた職業的な作品なのでしょう。演奏は優雅な風情漂うもの。(0:55-0:56-1:07-1:03-1:10-1:22)

 真作とは確定していない(一部改作?)協奏交響曲 変ホ長調K.297bは、誰がなんと云おうとその優雅な作風はMozartそのもの。ここではクラリネットに非ず、フルートが使用されております。もしかして史上初の復元稿?録音かも。ウキウキするようにファンキーに懐かしい序奏から始まる第1楽章「Allegro」、管楽器のソロが始まるとその華やかな、軽快な音色の掛け合いに心奪われました。ホルンの浮き立つように明るい、軽いヴィヴラートは仏蘭西系でしょう。耳慣れぬフルートにも違和感はありません。(13:29)。第2楽章「Adagio」は第1楽章と同じ変ホ長調なのも珍しく、朗々と各管楽器ソロが絡み合って歌います。やはり華やかなホルンが特異に浮き立って、フルートも華やか。(8:49)第3楽章「Andantino」は牧歌的に夢見るように楽しい変奏曲、管楽器の掛け合いはユーモラス、かつてFM放送のテーマ音楽になっておりました。ソリストは存じ上げないけれど、ややノンビリとして暖かい日差しのようなアンサンブルでした。こんな愉しい天才の作品は滅多に存在しない。(9:09)

(2023年9月9日)

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written by wabisuke hayashi