Messiaen 「嬰児(みどりご)イエスへの20のまなざし」
(ホーコン・アウスタベ(p))


NAXOS	8.550829-30  1993年録音 Messiaen

嬰児(みどりご)イエスへの20のまなざし

ホーコン・アウスタベ(p)

NAXOS 8.550829-30  1993年録音 2枚組1,000円にて購入

 できるだけ購入情報記録を残すようにしているが、このCDにはなんのメモも残っておりません。が、購入時期も価格も場所もしっかり記憶している・・・1995年1月初旬、神戸のタワーレコード。おそらくは値付け間違いであり、おそるおそる購入し、逃げるように店を出た記憶も鮮明・・・その数日後、阪神大震災でワタシの不正購入もうやむやとなり、挙げ句、数ヶ月後博多に転勤〜ようやくローンが終わり、数百萬掛けて大改装して半年、大阪の中古マンションも手放すことになった〜懐かしい思い出です。(家族で初の転居先・博多は忘れ難き楽しい経験となりました)

 当時若かったワタシはこんな音楽も(背伸びして)聴いていたんですね。当時は難解でつかみどころがない!と嘆いていたけれど、やがて人生の幾山川を越え、苦渋の毎日に耐えつつ、静かなる休日の朝に聴けばココロの奥に諄々と染みこむものがある・・・ワタシ、起承転結のはっきりしない、短いエピソードの積み重ね的作品が好きなんです。きらきら宝石が輝くような無機的小品が、”サビ”も”叙情”もなく粛々延々と継続してCD2枚分。美しいなぁ、Debussyの前奏曲に似てませんか。より、ハードに破壊的に変容させたような・・・シロウト耳のエエ加減なコメントだけれど。作品詳細解説はこちらにて。(読んでもほとんどワカランのが自分で情けない)

 演奏の質・表現云々は比較対照(基礎知識も)がないからわからない。イースト・ウッドヘイ(イギリス・ハンプシャー)聖マーティン教会での録音は残響適度で、ピアノの芯も美しく捉えられておりました。シロウト耳にもそうとうな難曲であって、アウスタベはクールな技巧を誇って響きは常に涼やかで濁りがない。豪奢な効果が期待できる作品だけれど、激情に爆発させない。アルカイックな抑制が感じられます。

父のまなざし
星のまなざし
交易
聖母のまなざし
子に注ぐ子のまなざし
御言葉によってすべては成されたり
十字架のまなざし
高き御空のまなざし
時のまなざし
喜びの聖霊のまなざし
聖母の最初の聖体拝受
全能の言葉
ノエル
天使たちのまなざし
みどり児イエスの口づけ
預言者、羊飼いと東方の三博士のまなざし
沈黙のまなざし
恐るべき塗油のまなざし
我は眠る、されど我が心は目覚め
愛の教会のまなざし
 全20曲(133分弱)。「御言葉によってすべては成されたり」「喜びの聖霊のまなざし」(トゥーランガリラ交響曲によく似ている)「全能の言葉」「ノエル」(ほんのちょっとBartok風)のように激しい作品も存在するが、静謐に呟くような味わいが全編を支配しております。「高き御空のまなざし」「天使たちのまなざし」はまさに宝石がこぼれ、あふれ出るよう。ま、カトリックの幼稚園出身、基本的に無神論者ながら主イエス・キリストの誕生を祝う敬虔な気分だけは理解できました。

 構えを作ってしっかり聴く!とすれば、あまりに敷居は高い作品集でしょう。BGM的に、時に応じて”摘み聴き”なら充分に愉しめる・・・ということです。

(2007年12月7日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi